コミュニケーションに入る前の気分の持ち方

おもしろい話ができない、話がとぎれて沈黙が怖い。いろいろコミュニケーションには悩みが多いと思います。

だいたい、こういうのは始めて会ったときに決まってしまうような気がします。

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つまり、初対面の時に、愉快な気持ちが通じれば、話はどんどん進んでいく。自分がしゃべらなくても、相手がよく話してくれる。

はじめに相性がいいような気がすると、話がどんどん進んでいく。本当に相性のよい人には下手な術策は不要ですが、そうでない相手にもある程度コントロールできると有り難い。

では、どうすればいいか。

愉快な気持ちで人に会うことです。

セールスマンの本に、朝出がけに鏡に向かって笑ってみる、というようなことが出ていました。

これは、笑うことに意味があるのではなく、楽しい気分を維持して相手に会う、という原理だと私は思っています。

要するに「これから楽しい会話をしよう」と思って、人と会えばよいのです。

深刻な顔であいさつされたら、相手も逃げたくなりますね。

 

これは面談だけでなく、面接試験などにも使えます。この方法を教えてずいぶん役に立ったと言ってくれる人がいます。私自身もプレゼンをするときには、会場に愉快な気を通すつもりでやります。

 

秋のコミュニケーション講座

人の心を動かす訓練をする講座

L研リーダースクールでは、今秋にプログラムの改定を行いました。基本的な構成は変わりませんが、少しゆったりめにつくり直しました。

コンセプトは、実践主体訓練です。人の心を動かす訓練を行います。

みなさんは、リーダー研修などを通じてマネジメントの基本をある程度は学んでいるかもしれません。

しかし、職場に戻ると、なかなか人が思うように動いてくれなかったりしないでしょうか。あるいは、部下の意欲をどうやったら高められるかわからない、ということがありませんか?

どうして、それが起きるのでしょうか?

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それは、リーダーの本質的能力である人の心を動かすことをこれまで訓練してこなかったからです。

どんなにリーダーシップを学んでも、肝心の人の心を動かす感覚が育っていなければ、せっかくの知識も使い物になりません。

リーダーシップの根源は、自分の考えを部下にうまく伝えながら、部下にも気持ちよく動き働いてもらえる能力です。

それには、相手の心を動かせないといけません。その訓練をするのがL研リーダースクールの通信講座です。

テキスト『リーダー感覚』の内容にだいたい沿った訓練を行っていただきます。また、毎週15分程度の解説動画を配信し実践のヒントにしていただきます。

職場や家庭などで実践していただき、そのあと自分が行ったことを分析し、レポートしていただきます。それについて、コメントやヒントをお返しいたします。

ただし、この講座を通じて知識を教えてもらえるとか、指導をしてもらえるとは考えないでいただきたいのです。

テキストや動画資料などを通じて必要な知識や考え方はお伝えしますが、それをきっかけにして、受講生の皆さんがご自分で考え、ご自分の答えを見出していただきたいと思います。

学びの主体はあくまで受講生の皆さんお一人ひとりであり、メインの学びの場は、受講生の皆さんの日々の実践です。それをサポートするのがL研リーダースクールの各講座です。

なぜこのような方式をとるかというと、自発的な行動のみが知識を身につかせると知っているからです。人間行動において最も重要なのは自発性です。このような趣旨にご賛同いただける方に是非学んでいただきたいと思います。

L研リーダースクールのリーダー通信講座

今秋のプログラム改定では、従来の初等科を、初等科Ⅰと初等科Ⅱに分割し、少しゆったりめにしました。

初等科Ⅰでは、ほめる訓練を徹底的に行います。直接的にほめる訓練、間接的にほめる訓練、めげている人をほめる訓練の3種類の訓練を職場などで実践していただきます。3期各3週間、全部で9週間になっています。課題レポートが最後に1回あります。費用は12,600円です。

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初等科Ⅱでは、説得の訓練、認める訓練、欠点を指摘する訓練を行っていただきます。こちらも3期各3週間、全部で9週間になっています。課題レポートが最後に1回で、費用は12,600円です。

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なお、初等科ⅠとⅡを全部受講し、かつ各課題すべてにレポートを提出する初等集中科(課題レポート6回)もございます。やる気のある方は、トライしてみてください。

人間分析力強化について

それから、L研リーダースクールのもうひとつの柱である、人間を見る力、人間分析力についてですが、上記の講座で同時に並行して学ぶのは少々きつすぎるかなと考えました。

その結果、これらの講座では「従」に位置づけています。紹介編程度の動画を3回ほどお送りします。

上の講座を修了された方は、いよいよ本格的に、人間分析力、人間行動の理解力の向上に着手していただきたいと思います。そのための講座をいま考慮中です。

それまでは、拙著『リーダーの人間行動学』をよくお読みいただきたいと思います。

また、L研クラブでは、関連する資料がありますので、そちらで資料を入手しお読みください。

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■リーダー感覚に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はL研リーダースクールの初等科Ⅰのテキストです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

解説・立読みはこちらからどうぞ


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■人間分析力に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』は、人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。

リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

立読み:こちらからどうぞ

 

部下によい環境をつくるとは言っても

最近の若手社員は、「大部屋では仕事ができない」「集中力が失せる」と嘆く人が増えているそうです。

ある一人っ子のAさんは、子どもの頃から個別指導塾や家庭教師で勉強をしてきました。大学時代はサークルに所属せず、講義が終われば自宅でパソコンとゲーム。コンパにも参加することなく、一目散に帰宅していました。

実は、こういう傾向は1990年代からありましたね。

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たぶん、その傾向は今はさらに強まっているのでしょう。

face to face のコミュニケーションがうっとうしくなっているのかもしれません。ただ、上司は若手のそんな主張を“ただのわがまま”と言い放っていていいのかどうか?

上下型とか前後型6種にはこういうのは多い。9種にもいるかもしれません。

上下型は基本的に友達なんかなくても平気なんだそうです。仙人みたいな人ですから。

 

また、前後型6種は、親しい相手としかつきあいたくない。このタイプは呼吸器が弱いため人とマジわらたがらない。

社交するには強い呼吸器が必要なのです。

9種は人とのコミュニケーションが苦手というわけではない。むしろ、空気が読め、気がつきすぎるので、先回りしてしまい、人とつきあってやるのがまどろっこしくなる、という感じでしょうか。

だから、一匹狼が多い。職人などにはよく見られます。

リーダーにとって、部下にふさわしい仕事の環境を用意するのは、なかなかたいへんです。

 

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■人間の行動基準に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』は、人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。

リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

立読み:こちらからどうぞ

世間話が苦手な営業マン

営業トークにしろ、社内での会議にしろ、いきなり本題に入るのは結構難しいことが多いです。それは、相手がまだ気分が高まっていないから。そこで、少し助走が必要なときがあります。世間話にはそういう役割があります。

世間話は、社内での潤滑油にもなるでしょう。パーティーなどでも世間話をして場を保つ必要が生じることは多々あります。

ところが、最近の若い人は世間話をするのがすごく苦手な人が多いのだそうです。

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「初訪問なのにいきなり商談」で取引先が激怒! なぜ世間話のできない若手営業マンが増えたか|イマドキ職場のギャップ解消法|ダイヤモンド・オンライン

上の記事には、初訪問なのにいきなり商談をして、顧客に嫌われてしまった営業マンの話がでています。

本人はそういうことをしないといけないことはわかっている。わかっているが、どうにも世間話をするのが苦手だというのです。

でもこれは一般的な傾向のようです。

最近の学生は、部活やサークルに属する人が減っているそうで、仲のよい友人としか会話ができない人が増えているらしい。

しかし、すべてメールで仕事ができてしまう人などほとんどいないのですから、ある程度世間話ができないと困ります。

ともかく、沈黙というのはつらいものです。かく言う私も、人なつっこい性格ではないので、苦労しました。

では、どんな対策があるか。

ひとつは、趣味があると強いでしょうね。私は長い間整体を勉強しているので、健康問題ならいろいろ引き出しがあります。みなさん、健康問題には関心が高いですから、結構話を聞いてくれます。

もうひとつは、手前味噌ですがL研リーダースクールの「ほめる訓練」を行うことです。お客さんのところに行ったら、何かほめることがないか探して、それを言ってあげるのです。

認める技術を使っても良い。顧客を認めるようにします。

お客さんは喜びますよ。外からどんな眼で見られているか聴けるわけですから。下手な世間話よりずっと喜ばれるし、尊敬されます。

要は世間話のつもりで、相手をほめればいいのです。世間話が嫌いでも、これならできるでしょう。

ほめる訓練をしたくなった?

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■リーダー感覚に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はL研リーダースクールの初等科Ⅰのテキストです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

解説はこちらからどうぞ

 

営業マンのコミュニケーションについて考える

営業マンのコミュニケーションについて今日は考えてみます。

そもそも、営業マンは、顧客の顔が浮かばないといけないようです。「顔」というのは、どんな生活をして、どういう家庭で、どんな家族がいて、どんな暮らしをしているか、そういうことがみんな見える位でないといけないらしい。

私は営業コンサルではないので、「らしい」としか言えませんが、たしかにそれくらいビビッドに顧客の顔が見えていないと、トップセールスにはなれないのでしょね。

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これが、「相手が理解できている状態」です。

そして、次が、相手に質問できる力。どんなニーズがあるか探り出す能力です。

それから、それをもとに、こちらの製品の売りをそのニーズにピタッと当てて示すこと。

L研リーダースクールの講座を例に考えてみましょうか。

この講座は、実践主体のふつうの研修とはちょっと変わったスタイルの講座なのです。いわゆるオーソドックスなリーダー研修ではない。「職場で人をほめてこい」と言うわけです。

 

「プールに投げ込んで泳いで見ろ」というような感じですか。でも、岡の上でいくら泳ぎの練習をしてもね。一般的に、人の心を動かす体験が圧倒的に少ないのです。だからそれを練習しろというわけですが、みなさん座学がお好きですねえ。

でも、実践的でよい講座だと言ってくれる人もいるんです。ところが、企業研修ではまず見込みがない。

大多数のサラリーマンというのは常識に従うのです。「リーダー研修とはこういうもの」というイメージがある。

こういう人は、一般的なリーダー論的を網羅した講座がよいと思う。一般的な知識を提供してもらえるのがよいと思っています。こうなると教養講座になりますが、まあふつうの人はそんなものです。

企業研修で研修会社を選ぶ立場の人は、そういった声に逆らうことができない。ということで、平均的なわりとよくまとまっている常識的な研修会社を選ぶことになります。

ですから、そういうものは私は初めからあまり相手にはできない。時間の無駄になる可能性が大です。

むしろ、いままで研修をやってどうにもならない、ちっともうまくいかない、と思っているような人の方がニーズが高いのです。

コミュニケーションの話題からそれましたが、営業マンにとって質問する能力というのもコミュニケーションスキルとしては大事です。どんなニーズがあるのかを質問で探りだす能力です。

それも、相手の「顔」がわかっていることでかなり仮説が立てやすくなると思います。

このときほめる技術を使って、相手の気分をよくすることもできるでしょう。これは人間関係の調味料のようなものですが、とても効果があります。

あとはクロージングの言葉ですが、このときには感受性の知識が役に立つのではないかと思います。

上下型なら、「有名なあの方も使っています」

前後型なら「これはものすごくコストが安い」

捻れ型なら「お隣の奥さんも使っていますよ」と競争心をあおるとかですね。

まあ、いろいろ研究してみてください。

 

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■人間の行動基準に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』は、人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。

リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

立読み:こちらからどうぞ

 

コミュニケーションは実戦訓練をしないと上達しない

L研リーダースクールのリーダー指導力強化講座では、正しい答えを提供するというやり方をとっておりません。

課題をお出しして、それをご自分の職場なり家庭などで実践し、その結果について自分で分析し、私どもにレポートしていただき、それに対してフィードバックする、というスタイルをとっています。

課題は、たとえば「職場で、誰かをほめてください」というような、アクションを求める課題です。

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講師の話を聞いたり、理論を学んだりするのでは、わかった気になるだけでなんの力にもなりません。アクション抜きにはリーダーシップを磨くことはできない、というのが私どもの考え方の中心にあります。

自分で考えてアクションをとり、その成果や結果について自分で分析し、改善案を自分でみつける――このプロセスを身に付けていただきたいと思います。これが、知識を身に付ける最大のポイントです。

もちろん、テキストや動画資料などを通じて、必要な知識や考え方はお伝えしますが、それをきっかけにして、受講生の皆さんがご自分で考え、ご自分の答えを見出していただきたい。学びの主体はあくまで受講生の皆さまお一人ひとりであり、メインの学びの場は受講生の皆さまの日々の実践です。それをサポートするのがL研リーダースクールの各講座です。

人によっては「プールの中に投げ入れて、とにかく泳いでみよ」という感じに近いと受け止められるかもしれません。岡の上でいくら泳ぎの練習をしても泳げないと思っていますが、このような指導法が合い、お望みの方にぜひ受講していただきたいものです。

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■リーダー感覚に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はL研リーダースクールの初等科Ⅰのテキストです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

解説はこちらからどうぞ

ほめられない人

ほめることが効果があることを紹介したところ、一生懸命やってみてくださった社長さんがおりました。

ところが、だんだん顔つきが暗くなってきた。どうしたのですかとたずねると

「いくら考えても部下のほめるところが見つからない」

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有能な人からしたら、みなバカに見えるのでしょうかね。

こういう人には、正直どう言ったら良いかよくわかりません。誰か教えてください。

あるいは、人間を見る眼があまりにも硬直的なのかもしれません。

人間に必要な、あるいは自分の会社に必要な資質は、これとこれ、と決め込んでいるのか。

あるいは、欠点ばかりが眼につくのか。

しかし、よく考えてみれば、長所も短所も同じなのです。それをどう見るかということでしょう。

たとえば、無口な人は口が硬いと言えなくもない。

おしゃべりな人は、座持ちがいい。

要はシチュエーション次第ということでしょうね。ある状況ではうまくないことが、別の状況では役に立つ。

荘子にこんな話があります。

高徳の隠者が商丘という土地に出掛けた折に、とても大きな木を見つけた。木陰で馬車が千台は休めるだろう思われるほどの大きさだった。

「なんて素晴らしい木だろう」

隠者は感心し、近寄って繁々見ると気付くことがあった。枝は曲がりくねって、棟木や梁に適さない。幹は空洞化して平板にもならない。葉は毒素を含んでいるようで、臭いは悪臭を放って酷いものだった。

「なるほど、これは何の役にも立たない木だ。しかし、役立たずだからこそ、誰にも伐られずここまで成長できたのだろう。人間も同じこと、天寿を全うするには不材無用の役立たず人間でなければならん」

今日は、シチュエーションをよく考えて人を使う、ということでした。

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■リーダー感覚に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

解説はこちらからどうぞ

 

質問の効果

コーチングでは「気づき」を与えるきっかけとしての「質問力」を訓練することがよい、という人がいるそうです。

私は質問を部下の指導や気づきのために意識的に使ったことは、あまりありません。

私は出身が経営コンサルタントなので、質問はもっぱらクライアントやそのユーザに対するインタビューが中心でした。

ところが、私のインタビューを受けると、たいていの人が非常に気分がよくなるらしいのです。

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ある会社の社長さんにインタビューに行ったのですが、何ヶ月してまた会う機会がありました。

そのとき「うちの会社に来ないか」と誘われました。

突然でびっくりしたので理由を聞くと、

「ポイントをついた質問に感心した」ということでした。

丁重にお断りしましたが、ポイントをついた質問をされると、だいたい嬉しがるものです。

仮にそれが相手が抱えている問題であっても、それなりに評価されます。結果的に、それが相手に「気づき」を与えたのかもしれませんが。

業種によって質問タイプはいろいろあると思います。

たとえば、新聞記者。

うまい新聞記者の場合、インタビューされている相手が、その記者が自分の味方だと思えてきて、どんどんしゃべってしまうのだそうです。

新聞記者は別に味方になろうとかいった気持ちはなくて、ただ事実を聞きだそうとしているのですが、それが自分の意見を支持してくれているような錯覚をもつのだそうです。

あるいは、私のインタビューも多分にそういうところがあるのかもしれません。

コンサルタントにはコンサルタントなりの、またジャーナリストにはジャーナリストなりの質問の仕方があり、場数をふまないとなかなか進歩しませんが、みなさんも練習してみるのもいいかもしれませんね。

質問をされると、相手は考え始めます。人間の癖のようなものかも知れません。つまり、しらないうちに相手は思考のスイッチを入れるわけです。

人間は自発的に行動することが快なのですが、質問をされて答えを考えることは、自発的に行動しているような錯覚を与えます。

さらに、質問の仕方によっては、相手の考えをこちらの狙いの方向に誘導することも可能でしょう。こうなると、一種の暗示的効果をもたらすことになります。

それは高等技術なのかもしれませんんが、少なくとも相手に集中力をもたらすことは可能です。質問されたら、それに答えるために思考を集中させるわけですから。

人間は集中するとき快を感じます。ですから、よい質問によって集中させられると快感がもたらされ、それが質問する相手に対する好意を生むのかもしれません。

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■リーダーの暗示学に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダーの暗示学――部下の心をリードする』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています

解説はこちらからどうぞ

 

自発性を発揮させるコミュニケーション・スキル

人間が最も自己の能力を発揮できるのは、自発性を発揮できるときです。

上司から「あれやれ、これやれ」と命令されるよりは、「これおもしろいから、やってみたいなあ」と思ってやった方がやる気が出るのは当然でしょう。

そのような視点でコミュニケーション・スキルを考えてみることも必要でしょう。そうすると、また違った奥行きがスキルに生まれると思います。

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リーダーの究極の目標は、部下が自発的に仕事を工夫して、楽しんで仕事をやってもらえるような環境を整備することだろうと、私は思っています。

最近ではほめることがさかんにマスコミで取り上げられています。

ほめられれば、まあたいていうれしいわけですが、そこをさらに進めて、自発性が発揮できるようにまでほめるにはどうしたらよいでしょうか。そうなるとリーダーとしては相当頭を使わないといけませんよね。

たとえば、相手の状況によってずいぶんやり方を変えないといけません。

初心者には、仕事に興味をもたせることがまず大切でしょう。それには、まずリーダー自身が仕事を楽しんでいないといけない。そして進歩をほめることです。また、くじけたら励ますことです。

中堅には、創意工夫できる余地を与えないといけません。その創意工夫に焦点をあててほめることも大事でしょう。

ほめて、ただいい気分にさせるだけでは、技術とは言えませんね。

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■リーダー感覚に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭い現実的な方法論です。特に初任リーダーはまずここからお入りください。

解説はこちらからどうぞ

信頼関係があれば叱れる

叱る効果があるかどうかを見極めるには、それまでの人間関係を考慮しなければなりません。

ポンポン言っても傷つかない間柄なら「おまえはアホだなぁ。ここがダメだ。こんなことじゃあ、ろくなもんにはならんぞ」と言っても大丈夫です。かえって親近感がわくでしょう。

要するに、口から出る言葉ではないのです。

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大事なのは腹の言葉です。自分の信念がわかってもらえる間柄なら、乱暴な言葉でも大丈夫。かえっていいくらいです。しかし、そうでないときは、このような言い方は危険です。そういうことを、リーダーはよくわきまえていないといけないでしょう。

本田宗一郎さんは、部下を殴ったり、ハンマーを握りながら部下を追いかけたりと、ずいぶん手荒なことをしたそうです。本田さんは、激情的な人だったのでしょう。多分、そういうことをせずにはいられない、切羽詰まった事情があったのだとは思います。

それでも、本田さんの部下はついてきました。それは、お互いに信頼関係があったからだと思います。本田さんのような上司なら、部下をぼろくそに怒鳴ったとしても、部下はついてきます。ところが、本田さんを真似して、同じように部下を叱ったところ、総すかんを食らったという人がホンダにはいたようです。

表面的な格好ばかり真似しても、リーダーの気持ちを伝えるのは無理です。ところが、それが、なかなかわからない人が多い。わからないのは、リーダーシップについて、というよりも、人間について基本的にわかっていないからでしょう。

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■リーダー感覚に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭い現実的な方法論です。特に初任リーダーはまずここからお入りください。

解説はこちらからどうぞ