聞く耳をもたせるには2

昨日は、聞く耳を持たせるための注意を集める手段にふれましたが、今日は別の手段。ひとつは、相手に断言させる方法。自己暗示に関係するテクニックになります。もうひとつは、連呼。これも暗示学の領域。

====

人間は、人の言葉は簡単には潜在意識に入りません。一種の予防的措置なんでしょう。さもないと、危なくてしかたありませんから。

しかし、自分の言葉は、簡単に潜在意識に入る。そのため、否定的な言葉使いはやめよう、などとよく言われます。

わざわざ否定的な観念を自分で注ぐなど、バカみたいですよね。ですから、いつも肯定的な言葉を使いましょう。

それはさておき、自分の言葉は簡単に入るというなら、それを使えばいい。具体的には、スローガンを読ませる。

会社の朝礼で、標語をみなで声をそろえて唱えているところがよくあります。

ダサイやり方に見えますが、これを繰り返していると、結構効果があるのです。

それから、連呼も案外効果がある。いつも同じ事を聞いていると、あほくさくて聞く気がなくなる。ところが、そういうときの方が、言葉が入っている。

それは、警戒心がなくなっているからだと思います。

ですから、コマーシャルでも、いろいろ凝った映像のものより、単純に連呼するものの方が,実は効果があると思います。

代表的な例は、高橋英樹さんがやっている切り餅のコマーシャル。

「正解! えちご製菓」

これの連呼だけなのですが、名前がしっかり脳に染みこんでいく。

—————————————————————————————-

■リーダーの暗示学に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダーの暗示学――部下の心をリードする』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています

解説はこちらからどうぞ

聞く耳をもたせるには

いくらこちらが何か言いたくても、相手の聞く耳がなければ、いわゆる「馬耳東風」ってやつです。

つまり、コミュニケーションにおいては、相手の期待を高め、注意を集めることが大事になります。それには、いくつか方法があります。

====

世阿弥の『風姿花伝』には、会場の雰囲気を知ることの重要性が語られています。

「おおぜいの観客が集まる演能では、多くの観客がざわめいていて、会場はなかなか静まらない。そういうとき、演者は満を持して観客の静まるのを待つ。

やがて、能の始まるのを待ちかねて、観客全体の心がひとつにまとまってくる。まだかまだかと楽屋の方に注意が集中するようになる。

その機会をとらえて、すかざず登場して謡いだせば、ただちに会場全体がその場にふさわしい雰囲気をかもしだし、観客の心と演戯が一体化して、しっとりした感じになる。そうなれば、その日の能は必ず成功する」

これを実現するにはどうしたらいいかといえば、たとえば相手の興味がありそうなことを述べて、さわりだけちらっと見せる。

すると、相手はその先が知りたくてたまらなくなる。映画のプロモーションビデオなどはそんな感じですか。

行動を禁じるということも、ありえる手法です。

ロミオとジュリエットのように、つきあうのを禁じられれば禁じられるほど、燃え上がる。もし、彼らがふつうの家族の生まれで、みんなから祝福されていれば、とっくに別れていたかも知れません。

以上のような手段とは正反対の手段があります。それは、相手に断言させる方法。これは自己暗示に関係するテクニックになります。

さらには、これも暗示なのですが、連呼という手段もあります。

ということで、この二つは明日紹介しましょう。

どうです、明日も読みたくなったでしょう?

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

質問することはほめる技術のひとつ

営業マンは売りたい、買ってくれの一点張り。

リーダーは、部下に、「動け」「やれ」の一点張り。

上等の営業マンは、お客さんに「売ってくれ」と言わせる。

上等のリーダーは、部下から「やらせてくれ」「あんたのためならやってやる」と言わせる。

この差はなんなのでしょうか?

====

私も少しは営業を勉強しなければと、トップセールスの人の書いた本を読むときがあります。すると、たいてい「相手の“重要感”をみたしなさい」というようなことが書いてあります。

人は誰でも他人か“重要感”を満たされると、抵抗できなくなるのだそうです。

つまり、L研リーダースクールの「ほめる技術」を使いこなせば、よい営業マンにもなれるし、よいリーダーにもなれるということ。

特に、直接ほめるよりも、「質問する」のがよいのだそうです。

そこで、拙著「リーダー感覚」のなかから、質問する技術についてピックアップしてみましょう。

=====================

自分より年長で、知識や経験が豊富な人の場合は、少々難しいかもしれません。こういう相手には、ピタッとしたほめ言葉をかけるのが難しいからです。それでうかつなことをいうと、「なんにも知らんヤツにほめられても仕方ない」と思われたり、腹のなかでバカにされたりします。

そういうときのために、とっておきの方法をお教えしましょう。そういう人には、積極的に教えを請うようにするのです。そして、「おかげさまで、たいへん勉強になりました」と言います。もちろん、口先だけでなく、心からですよ。真摯に教えを請う姿勢がないといけません。

これにつけ加えて、質問すればもっとよいでしょう。
「ここは、どう考えたらいいのでしょうか」

さらによいのは、
「私はこう考えたのですが、ここはこれでいいのでしょうか」

実は、これでほめたことになるのです。この戦略は、目上の人に対しても有効な場合が多いといえます。ただし、本当に勉強してからでないとダメですよ。嘘はすぐ見抜かれますからね。

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

 

 

相手の価値観を認める苦しさ

私の大学時代の恩師の川瀬武志先生はGNN教の教え15条を説かれています。

その第13条にこういうのがあります。

『すべての人はそれなりに、合理的であることを認めましょう。相手の価値観を理解し、それなりに認めましょう』

この条文は、私の人間行動学とぴったり一致する条文です。でも、なかなか、ふつうの人はこれができないんですよ。

====

相手の価値観を認める前に、自分の価値観で相手を量ってしまう。

私もまったくないとは言えません。

人間行動学を標榜している私でもやはりそうです。

どうしても、嫌いな価値観というのがありますからね。それが相性ということなのでしょうけれど。

イヤだなと思ったときは、しばらくその相手から遠ざかることにしています。しばらくすれば、まあいいか、という気になりますから。

相手の価値観を変更させるのは、よほどのことが起きないと不可能だと思いますね。

できるのは、相手の価値観に沿って説得すること。これはある程度可能ですけれどもね。

リーダーは、相性のよい部下をもつことが大事です。相性がいいという意味は、自分の欠点を補ってくれ、一緒にいると元気になる、やる気が出る、といったことでしょう。

ただし、相性がいいというのは Yesマン とは限らないのです。でも、おうおうにして、人はそこを間違えますね。

「コミュニケーションがうまい」という言葉は、ときどき「おべんちゃらが上手」「世渡りがうまい」という意味で使われることがあります。

真のコミュニケーションとは、結構難しいことかも知れませんね。

一方、部下は上司を選べません。
相性の悪い上司とつきあうことになったら、三つしか道はない。
お友達になる(仲良くなる)か、あきらめるか、出て行くかしかない。

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

 

時間を区切る暗示

「あとこれだけの時間頑張ればなんとかなる」と言われると、「そうか、それくらいなら、やってみるか」と思うわけです。

これは拙著『リーダーの暗示学』に示した、「時間を限定する暗示」というわけ。

====

私が留学する前のことですが、ちゃんとついていけるかどうか、すごく不安になって先輩に聞いたのです。すると、その人はこう言いました。

「最初の一学期、3ヶ月だけ耐えればいいんだ」

たしかに、最初の学期とそれ以降の学期では授業科目は違うけれども、同じ学生が受けているわけですから、一学期目さえ無事に通過できれば、あとは同じよういくはずです。そう思えたら、私はすごく気が楽になりました。

その後、日本に帰ってからのことですが、私の事務所に同じような悩みを抱えた女性がやってきました。そこで、私も先輩に言われたのと同じことを言ってあげました。

すると、彼女は「なるほど」といった顔で、非常に元気になりました。

こういうことがおもしろくて、『リーダーの暗示学』をまとめたのです。リーダーの暗示といっても、そんなにとんでもないことではないんです。少なくとも私のいう暗示はですね。

コミュニケーションスキルの中で、暗示技術というものもぜひ勉強して下さい。

世間では暗示技術というと自己暗示をさすことが多いですが、私のはリーダーが他人にかける暗示。

原理を知れば、それほど難しくはない(ものも多々あります)。みんな、暗示と気がつかずに、結構使っていたりしますよ。

—————————————————————————————-

■リーダーの暗示学に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダーの暗示学――部下の心をリードする』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています

解説はこちらからどうぞ

 

チーム運営のための非言語コミュニケーション

リーダーは心理効果をもっと学ぶといいと思います。

リーダーの条件には「メンバーに夢をもたせること」と「それを実現させるための道筋を示すこと」があると思います。

それについては、私の本『暗示型戦略』に詳しく書いてあります。

ところで、この「道筋を示す」ですが、最近は「工程表」という言葉がさかんに使われております。

ただ、この工程表という言葉には、私は少々ひっかかる。

====

工程表というと、なにやら無機質的な気がするのです。

工程表というとガントチャートを思い出します。

建築現場は狭いので、置き場に困る。そこできちんと作業工程を管理し、コンクリートを何時にもってきて、鉄資材は何時にもってきて、明日は何時にサッシ窓をもってきて、という具合にきちんと管理する。

工場の生産管理でも使われますね。

この部品を何時までにつくり、次にそれを組みたてて、別の部品といっしょにして、とかという工程表のことです。

物作りの現場ではそういう合理性がとても大事なのはわかります。

ですが、戦略となると、もっと心理的な側面を考慮しないといけないだろうと思います。それが、『暗示型戦略』の主張です。

なぜ暗示かというと、やり方によって、非常に勇気ややる気がわくのです。

たとえば、初期の段階では小さなもので良いから完璧なものをつくる。

「これを拡大したらすごいものになりそうだ」という空想を関係者に植えるのが狙いです。

初期段階で時間やコストをかけるとプレッシャーが強くかかりすぎます。

小さく産んで大きく育てた方がよい。

ただ、小さいだけではダメなんです。「これはすごいものになりそうだ」という連想が働くように工夫しないといけません。

それから、先例とか参考例を見にいくのもよい。

「これなら、自分たちにもなんとかやれそうだ」という空想を生むようにもっていく。

このように、ポジティブな空想が生まれるようにもっていくのが、肝心なところです。

このあたりは、言葉を用いないコミュニケーションということになるのかもしれません。

特にチーム運営においては重要なコミュニケーションスキルになるでしょう。

人間心理をもっと多くのリーダーに勉強していただきたいと思っています。

—————————————————————————————-

■暗示型戦略に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『暗示型戦略』(鳥影社)の内容の一部を紹介したものです。

本書は、チーム運営におけるゴール達成までのプロセス構築法を紹介しています

解説はこちらからどうぞ

 

口先でほめてもダメ:スキルの限界

ほめることをコミュニケーションのテクニックと考えていると、早晩壁にぶちあたります。それは、言葉だけで取り繕おうとしているためです。

本気で「いいな」と思えることだけを言うようにしないと、絶対に相手には響きません。

====

お天気キャスターの真壁京子さんがどこかで書いていました。師匠の森田さんにいつも言われていることがあるんだそうです。

「きれいにしゃべろうと思うな。言葉が汚くても、本気で伝えたいと思ったことは伝わる」

共感を得るには、腹から出る言葉というか、気迫というか、そういうものが必要です。

「午後から雨が降るから、洗濯物を干しっぱなしにしないよう注意して」という内容でも、ただ情報を伝達するつもりと、視聴者に「気をつけて!」と注意したいと思いながら言うのとでは、伝わり方が違うはずです。

口先の言葉では共感は得られません。これは肝に銘じておかなければなりません。

みなさんも、自分の言葉を大事にしながら、相手の反応を正しく読めるように、リーダー感覚をしっかり磨いて下さい。

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

 

部下と競争するリーダーは最悪

ホンダの創業者本田宗一郎さんは結構手荒い人で、部下が真面目に仕事をしないと、ハンマーか何か工具をもって追いかけるような直情的な人だったそうです。

本田さん自身がテストドライバーになって車を運転をしたとき、車が壊れてヘタをすれば命を失うような事故が起きたときがありました。

担当者は真っ青な顔でやってきましたが、本田さんは特に怒った様子も問い詰めることもなく、お茶を飲んで世間話をするだけだったそうです。

====

本田さんの名女房役と言われた藤沢さんという人は、こんなことを書いています。たぶん、本田さんから見習ったことだと思います。

「得意になっている人に一喝やると伸びるが、失意の人にダメだと言えば、ただでさえ悲観しているのにますますマイナスになってしまうので効果がない」

このようなことがわからないと、本当は最良のコミュニケーションをとれないでしょうね。

そもそも、なぜリーダーが怒るのでしょうか。

たいていは、自分の感情を抑えきれないからです。

そもそもすぐ感情的になるタイプがおります。言葉よりも先に手が出るタイプもおります。ゲンコツです。昔の頑固オヤジにはそういう人が多くおりましたね。

一方、徹底的に自制している人もおります。感情を抑制するタイプがおります。自制しているだけに、タガがはずれると、ちょっとしたことで怒りが沸騰してしまうことがよくあります。

いずれにしろ、欲求不満が心の底にある。

しかし、最悪なのは部下と競争するリーダーです。部下と競争するとは、部下を批判したりイヤミを言うことです。

自信のないリーダーは、自分の有能さを誇示したい、自分を認めてもらいたいと思い、そのあげく部下と競争します。これはリーダーとしてはいちばんしてはいけないことです。

実力のないリーダーほど、部下を支配しようとして怒鳴り散らすものです。

リーダーとは何かをわかっていないから、こういう行動になるのです。たとえば、有能な営業マンに営業所長が怒鳴ったりイヤミを言うようなことです。この所長は、自分の仕事をまだ営業マンと同一線上にしかとらえていない。だから、部下と競争してしまうのです。

このようなリーダーは、コミュニケーションうんぬんの前に、リーダーとは何かを学ばないといけません。

 

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

 

 

有能なリーダーは個々の人間に適した指導法を選ぶだけではない

対人関係をこんな感じで考える人は多いでしょう。Lはリーダー、小文字のsはメンバーいろいろということです。

要は各人にあった指導をしないといけないということです。

有能なリーダーは個々の人間に適した指導法を選ぶことができます。

leader-subordnate

研修機関では、こんな感じでセミナーや話をすすめていると思います。

ところが、現実はもうちょっと考えないといけないのです。

====

それは、こうです。

leader-subordnate2

つまりL(リーダー)もいろいろだということです。

こうなると、幾何級数的に組み合わせが増えて、事例をただ羅列するハウツウ的対処では不可能でしょう。

このようなときは、ある程度人間の分類を理論的におさえないとどうしようもない。

それを私は勉強し、人にも教えたいということなのです。

私が言いたいことは、リーダーはある程度自分の個性を発揮させながら、なおかつ相手にもあわせて指導法を変えることが求められるということです。

人間というのは案外不器用なもので、自分が教育されたように人を教育したくなるもののようです。

拙著『リーダー感覚』では、星野監督と野村監督の阪神監督時代を分析しています。

当時の野村さんは、選手をいびることが生き甲斐のようにすら見えました。

このような指導法をなぜ野村さんがとるかというと、野村さん自身がそのように教育されたし、また彼自身が褒められるのが嫌いなタイプだからです。

野村さんは、欠点を指摘してもらい、それを糧にしたいと考えるタイプなのです。

私の「行動分析の手引」では野村さんは8種タイプです。このタイプはたいへんな努力家です。

しかし、《褒めない》指導法は、あるタイプ(負けん気の強い頑張り屋)には有効でも、多くのタイプには不向きです。それが阪神時代の成績として如実に表れました。

阪神監督を辞めたあとの野村さんは、かなり指導法を変えています。だいぶ懲りたのでしょう。

自分の感覚とか価値観を越えて、指導スタイルを変えています。

 

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

解説・立読みはこちらからどうぞ

組織間のコミュニケーション

社会人としてコミュニケーション能力を高めることを考えた場合、3つの段階があると思います。

第一は、個人対個人のコミュニケーション。これがコミュニケーションの基本であることは言うまでもありません。私の本でいえば、『リーダー感覚』『リーダーの暗示学』『リーダーの人間行動学』あたりが該当します。

第二は、チームメンバーに対するコミュニケーション。個人対複数メンバーのコミュニケーションということです。チーム運営のスキルともかかわってきます。これは『暗示型戦略』が特にかかわってきます。

第三は、組織対組織のコミュニケーション。====これは経営戦略と大きくかかわってきます。組織と組織のつきあいとか交渉となると、組織としての立場と個人的な関係という二つの要素が入ってくるので、ずいぶん違った感じになります。私の本ですと『先見力訓練法』や『伝動戦略』『暗示型戦略』あたりが深くかかわってきます。

組織対組織のコミュニケーションになると、実は相手の組織だけ相手にしていればよい、というわけにはいかなくなります。

ここでは、第三者の組織にも働きかけることで、力の伝播を利用することが効果的になります。

今の対中国問題でいえば、尖閣で何とか抑えようとするだけでは足りません。中国はしきりにアメリカやパキスタンで新聞広告を出しています。

日本は、アメリカはもちろんのこと、モンゴルやウイグル自治区、インド、ベトナム、フィリピンなどと協力関係を築く必要があります。

なぜ、そういうことが必要になるかは、こちらをご覧ください

組織の問題については、今年中に組織行動分析ゼミを開くつもりです。

◆参考:佐藤直曉著『伝動戦略』:本書でとりあげた日露戦争における明石元二郎中佐のロシア国内での叛乱画策こそ伝動戦略であり、今回の対中国外交にもヒントになる。

k2

伝動戦略とは、直接的な対立に固執せず、影響力の伝播を利用しながら目的を達成する戦略。詳細解説はこちら