リーダーシップをつけるには

リーダーシップとマネジメント能力とは別物だと私は考えています。

ここでいうマネジメントの能力とは、業務管理とか目標管理といった類のことです。

しかし、リーダーシップはそれと少し違って、自分の考えを部下にうまく伝えながら、部下に気持ちよく動き働いてもらえる能力であると私は考えています。

ですから、コミュニケーション能力と非常に関係が深いと言えるわけです。

ただ、リーダーのコミュニケーション能力となると、ただコミュニケーション力があればよいというわけではないでしょう。

やはり、リーダーとは何かを考え、リーダーとして力を発揮できるためのコミュニケーション力でなければなりません。それは人の心を動かす能力ともいえるでしょう。

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それをたたき上げの社長のような人たちは、若いころから実践で鍛えています。しかし、ふつうのサラリーマンにはそういう経験はあまりないのかもしれません。

しかも、それは特にもたなくてもとりあえず日常の仕事はまわります。特にリーダーには権限があるので部下は一応言うことを聞いてくれます。しかし、部下が本気になっているかどうかは別の話です。

部下を本気にさせられなかったり、気持ちよく動いてもらえなかったりするのは、多くの場合、リーダーとして人の心を動かす実践経験が圧倒的に不足しているためです。

L研リーダースクールの人間行動学初等科1と初等科2では、通信教育によってこの訓練を行います。最初はほめる技術を学び、その後説得の技術、めげている相手を励ます技術、叱る技術などを訓練します。

これによって自然とリーダーシップやコミュニケーション能力がつき、部下からは慕われるようなリーダーになれるでしょう。

 

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科のメインテキストです。初等科1では、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。初等科2では、説得技術、叱る技術、認める技術を扱います。初等科の講座は、受講生にコミュニケーション技術のアドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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叱るときの気持ち

最近の若い人は、へたに叱るといやになって、会社をすぐ辞めてしまうようです。あるいは、妙に卑屈になって、閉じこもってしまう人もいるようです。それで、昨今の上司は部下を叱ることができなくなっているのでしょう。

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私は自分の部下をもった経験はあまりありませんが、かつて研修教育を請け負ったとき、顧客の若手スタッフをよく叱りました。一生懸命になると、つい怒鳴ってしまうのです。若気の至りでしたね。

叱ったあとというのは、実に気分が悪いものです。はたして自分の言ったことがちゃんと通じたかどうか、いじけて反抗しないかどうかなどと、心配で仕方なかったものです。

この研修会は、プレゼンテーションの能力アップが目的でした。月一回くらいのペースで行いましたが、毎回グループごとに発表してもらい、発表が終わると講評をして、改善点を指摘し、次回までにそこを直して、また発表してもらうわけです。

ところが、ある人は、私の言ったことをやってこなかった。それで私は猛烈に怒ったのです。

「どうして、言われたようにやってこないのですか。前回、これこれのことを調べるように言ったじゃないですか」

この人は、なんで一ヵ月も前に言ったことを、私がこと細かくしぶとく覚えているのか、不思議そうにしておりました。これは、別に私の頭がいいからではありません。長年の経験から、分析の勘どころと、それを整理して覚えておく筋道が頭に入っているので、その筋道をたどれば、前のことがすぐ思い出せるのです。

幸いにも私が指導した人は、へんにめげたり、反発することはありませんでした。あとで「怒られて嬉しかった」とさえ言っておりました。私がその人のことを思って怒っているのがわかったからだそうです。また、怒る理由が正当で納得できたからだとも言っていました。

この例のように、きちんと理由を説明できれば相手も反発しません。相手が反発するのはリーダーとして説得能力がないか、事態を的確に分析できていないからです。理由も示さず頭ごしに怒鳴りつけたり、自分の不満や不快感を発散させるだけでは、部下はついてきません。

今の若い人は成長志向が強いのですから、自分の成長を願って怒ってくれているのだとわかれば、叱っても通じると思います。通じないのは、リーダーとしての能力に問題があると考えるべきでしょう。

■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科のメインテキストです。初等科1では、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。初等科2では、説得技術、叱る技術、認める技術を扱います。初等科の講座は、受講生にコミュニケーション技術のアドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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人は何を認められたいのか

自分の気持ちが認められていないと思うときぐらい、辛いことはないのかもしれません。私はこのことを考えるとき、ある家庭奉仕員の書いたエピソードをいつも思い出します(4)。ちなみに、これは三十年以上前の話です。家庭奉仕員とは、自治体が雇用するホームヘルパーとお考え下さい。

Mばあちゃん――当時八十五歳――と出会ったのは十五年前。家庭奉仕員として大きな荷物を背負ったような気持ちになった最初の人でした。

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「Mさんのことをなんとか頼む」と、役所の係の人から言われたことが頭から離れなかった。

女一人、八十を過ぎたこの独居老人は、「みんなでおれをバカにして、物を取り上げてしまった」と言い続け、どうなだめても人との接触を好まなかった。

訪問開始後、二、三ヵ月間、無我夢中で敷居をまたぐ。しかし、「また来たか、また来たか」と上目づかいでジロリとにらまれ、追い返されるだけ。

「いったい何をしてきたんだ。こんなに早く帰庁して」と、役所の人に言われないだろうか。役所までの八キロの道を憂鬱な気持ちで歩いて帰る。

だが、Mばあちゃん、根がつきたのか、ある日のこと、仕方がないといわんばかりの顔で、やっと土間の上り台の上に座らせてくれた。これで、苦しい日のことが嘘のように消えた。

この人に何をしてあげたら心が打ち解けて中に入れてもらえるだろう。そう思いながら通っていたある日、ふとたずねた。

「息子さんは」

そう問うたら、大きな涙が頬を伝って

「戦死」

とポツリ。

一瞬にして謎がとけたような気持ちになった。Mさんは私が仏壇に手を合わせることを拒まなかった。

それから、しばらくして、峠の山百合を黙って供えて帰った。金で買う花よりも、何気ないしぐさのほうがよいだろうと思い、家からの道すがら、手折した山百合である。

次の訪問日、Mさんはたとえようがないほど喜んで迎えてくれた。

ある吹雪の夜などは、当時三歳と七歳だった私の子供のことをしきりと気にかけてくれた。

「おれは大丈夫だから、内緒で子供のところに早く帰れ」

「子供はいない」

と言うと、

「その若さでいないというのは嘘だろう。子供はかけがえのないものだぞ。早く帰れ」

と怒鳴り声をあげるように気を使ってくれた。

嘘も方便。次の訪問時、

「子供がたいへん喜んで」
と礼を言う。

Mさんのなんともいえない顔。またしても、八キロ歩いて帰庁。

人は認めるように育つといいます。素直な子だと認められると素直になり、正直な子だと言われると、嘘がつけなくなります。また、逆らう人には、逆らうことが素晴らしいと認めると、逆らいながらついてきます。

なぜ、そうなるかというと、人間は認められたいという欲求が根源的にあるからです。これは潜在意識に根ざした深い欲求なのです。

ですから、人が苦しんでいたら、何を苦しんでいるかを見つけ出し、それを認めてあげなければなりません。先ほどのMさんのようにです。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

 

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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事例: ある外資系企業の場合 第2回

前回の第1回はこちら

◆非常手段
こんな状況では、尋常な手段ではすまない。そう考えた若手コンサルタントは、親会社からの依頼状をもっていき、それを見せることにしました。

もっとも、依頼状といっても、それは数行の短いファックスで、幹部たちがどんな考えをもっているか聞いてくれとしか書いてありませんでした。彼らの腹を探れといった露骨な言葉はありませんでした。

コンサルタントとしては、面談相手に会ったとき、その文章のとおりに告げるつもりでしたから、依頼状を見せても別段問題にはならないと判断したようです。

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疑心暗鬼に陥っているはずの相手に、少しでも緊張を与えないように配慮したつもりだったのでしょう。しかし、この話をあとで彼から聞いたとき、私は率直にいって、ずいぶんひどい手を打ったものだなと思いました。また、効果についてもどうかなと疑いました。

◆営業部長との面談
金曜日の午後、若手コンサルタントは新しい営業部長に会うことになりました。営業部長に会うと、コンサルタントは早速例のファックスを見せ、面談の趣旨を説明しはじめました。

営業部長は声が大きくて威勢のいい人物で、体育会系的なノリの感じがする人だったそうです。

面談が始まると、彼は会社の計画を熱く語りはじめました。入社したばかりであるだけに、やる気のあるところを見せたかったのでしょう。それは理解できると、コンサルタントは好感をもって面談を終えたそうです。

ところが、次の週の月曜日の午後、驚くべきことが起きました。営業部長から突然電話がかかってきたのです。

電話の声は相変わらず威勢がよかったそうです。

「おい、どうだ。元気か」

社外の人間に対して、ちょっと失礼な口の聞き方ですが、自分の父親のように年齢が離れている人物だからと、コンサルタントはそれほど気にはしなかったそうです。

「はい。まあ、なんとか……」

コンサルタントはあいまいに答えました。そして、何の用事だろうと思った次の瞬間、唖然とさせられました。営業部長の声の調子が一変したからです。

「例の件、どうなったですかね……」

気弱な性格丸出しで、つぶやくように、そして哀願するように言うのです。

驚いたのはコンサルタントの方でした。彼は驚きをかろうじて押さえ込み、なんとか取り繕いました。

「先週は有り難うございました。今、報告書をまとめているところです」

コンサルタントは「へんなことは書かないから、安心してくれ」というような嘘や気休めは言わなかったそうです。ただ、「熱意はよく伝えるつもりだ」とは言ったとか。

これは嘘ではないのでしょうが、私からすれば多少はリップ・サービスの感がしないでもありません。

それにしても、イヤな仕事だと、若手コンサルタントはまた思ったそうです。営業部長は、週末を悶々と過ごしていたに違いありません。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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事例: ある外資系企業の場合 第1回

今回からしばらくケースを紹介しますので、分析をしてみてください。

◆三つどもえの構図
ある外資系企業の日本子会社では、社長、営業部長、それに工場長の三人の幹部が、会社のなかで張りあっていました。

この会社の組織は、比較的単純でした。都内のビルには、管理部門を統括する社長と、営業部隊を指揮する営業部長が同居しており、また、少し離れた地方都市に工場があって、そこには工場長が独立国家の王のように君臨していました。

社長は几帳面に仕事をこなすタイプで、人間的にはスムーズでよい人間でした。しかし、強いリーダーシップはなく、営業と生産というふたつの機能を統率できませんでした。彼は、本社と日本間の取り次ぎ役的存在にすぎませんでした。

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この会社の営業部隊はひ弱で、親会社の期待に沿うような業績をあげることができませんでした。営業部長は、ユーザーとの間で商品トラブルを起こさないよう、常に気を配っていましたが、これは、この会社というよりも、業界全体の問題でした。

この状態を工場長は遠くから冷ややかに見ていました。彼は常に本社のやり方を批判し、社長や営業部長の能力を疑っていました。彼にとって、愛すべきは工場の従業員であり、守るべきは工場の円滑な稼働だけだったのです。

◆幹部の首実検
営業努力の甲斐もなく業績は改善せず、ついに親会社は日本の子会社の社長を解任することにしました。後釜には、外国人社長をあてることになりました。

ちょうどこのころ、営業部長が辞職し、新しい営業部長が就任してきました。そこで、親会社はあるコンサルタント会社に、新しい営業部長と工場長の能力を評価してほしいと依頼しました。近々来日する新しい外人社長が仕事をしやすいようにと考えたのでしょう。

担当を命じられた若手コンサルタントは弱りました。彼はそれまで二人の幹部とほとんど話をしたことがなかったのです。信頼関係のない話し合いはつらいものです。彼らはコンサルタントを親会社のまわしものとして警戒し、疑心暗鬼の目で見るに違いありません。

そんな彼らが、いったいどんな話をするのでしょう。どうせあたりさわりのないことしか言わないに違いありません。「二、三時間話しただけで、何がわかるというのだ」というのが、そのときの彼の率直な感想でした。

悪いことはまだありました。二人とも、コンサルタントとは二十歳ぐらい年齢が離れていました。なんで自分たちがそんな若造に評価されなければいけないのだと、彼らは思うでしょう。彼らの心中が穏やかでないのは、容易に察しがつきました。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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叱ることの意味

しかり方を解説しているリーダーシップ関係の本を読むと、部下をいろいろなタイプに分類し、そのタイプ別に叱る方法を示したものがありました。

読んでみると、どうかなと思います。

たとえば、すぐ反発するタイプには、データを示しながら説明して叱る。

また、叱られるとすぐ内向してしまうタイプには、まず認めてから叱る、といった具合です。

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しかし、私はまずこれではダメだろうなと思いました。

すぐ反発するのは、捻れ型というタイプです。

このタイプはどんなことであれ反発する。そういう感情の持ち主なのです。

ですから、データを示しても、それは理性に働きかけるだけであって、相手の感情に訴えていませんから効果がでないのです。

対策は『リーダーの人間行動学』をお読みください。

すぐ内向してしまう人に認める、これはこれでよいでしょう。

しかし、しかればやはり結果は大して違わないでしょう。

このタイプは、悪いとわかってもらいさいすれば、あとは別に叱らなくてもいいのです。

代わりにほめます。

やり方は、『リーダー感覚』をお読みください。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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ほめるのが嫌いな人とは2

選手をほめない理由

なぜ、野村さんは選手をほめないのでしょう。彼はこんなことを言っています。

1.ヘタにほめると、「なんで、この程度のことでほめるの?」と、思われかねない
2.「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」は、誰が見ても同じことだから、ほめたことにはならない
3.相手の考え方や意見をほめるのは、なかなかできない
4.むしろ、欠点を指摘するほうが簡単である

さて、今のところを読んだ感想はいかがでしょうか。まず、①の「ヘタにほめると、『なんで、この程度のことでほめるの?』と思われかねない」について考えてみましょう。

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どんな相手でもそうですが、ほめるときには、相手が言ってほしいと思っていることをピタリと当てて言わないと喜びません。中途半端なほめ言葉は、心に全然響きません。これは定石ですから、よく頭に入れておいて下さい。

ですから、もし相手にふさわしい言葉でほめることができないのであれば、野村さんの言い分どおり、相手は「なんで、この程度のことでほめるの?」と思うでしょう。

ところで、野村さん自身は、どんなことをほめられたいのでしょうか。それが、どうやらあまりほめてほしくないようなのです。

野村さん自身の関心事は技術の向上だと思います。その証拠に、選手時代、②の「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」のようなほめられ方をされても、ちっとも嬉しくなかったと言っています。その程度の言葉では技術は全然向上できないと、野村さんは思っていたのでしょう。野村さんはそんな中味のない言葉より、もっと具体的な欠点とか改善点の指摘がほしかったのだと思います。

ですから、安易なほめ言葉を使う人を「能力がない人間だ」と、野村さんは軽蔑したくなるのです。人のことをそう思うくらいですから、当然自分もそうしたくないはずです。そこで、野村さんはあまり選手をほめないのではないでしょうか。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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ほめるのが嫌いな人とは

選手をほめない監督

どうやら、野村さん(注:プロ野球の名監督のこと)は、選手をほめることが下手な指導者のようです。

野村さんは、ご自分の著書のなかで、「ほめて育てるという育成法をとったことがほとんどない」とまで書いておられます(ただし、これは楽天監督に就任する以前の話です)。

野村さんは人をほめるのがよほど苦手なのでしょう。ですから、「五つほめて、三つ教えて、二つ叱る」という学校教育の基本を小学校の先生から聞いたとき、複雑な思いにとらわれたそうです。

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ヤクルト・スワローズの監督時代も、野村さんは自分のスタイルをひたすら通しました。私にも覚えがありますが、監督の試合後の談話を聞いていると、選手のことを皮肉ったり、バカにしたり、それはひどいものでした。

テレビで聞いただけの私ですら、あんなにネチネチやられたらたまらないだろうなと心配したぐらいです。ですから、頭にきてやめた外人選手もいたと聞いています。

ところが、古田捕手はテレビのインタビューで、こう言っていました。
「野村監督は絶対に選手をほめませんよ。選手を徹底的にけなして、反発心、反骨心が出てくるのを期待しているんだと思いますよ」

このコメントに対して、野村さんは「うーん、よく見ているな」と、感心しています。

野村さんはこうも言っています。
「(監督に対して)『なにくそ』と反発し、それをエネルギーにしてほしい――と、願っていました」

選手をほめない理由

なぜ、野村さんは選手をほめないのでしょう。彼はこんなことを言っています。

    ①ヘタにほめると、「なんで、この程度のことでほめるの?」と、思われかねない
    ②「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」は、誰が見ても同じことだから、ほめたことにはならない
    ③相手の考え方や意見をほめるのは、なかなかできない
    ④むしろ、欠点を指摘するほうが簡単である

(つづく)

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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コミュニケーションが下手と悩む人は幸いなり

コミュニケーションをとるのが難しい人というのは、いくつかタイプがあると思います。

内向的だとか、話題がない、という人は、訓練しだいで比較的簡単に直すことができます。

むしろ難しいのは、外交的な人の方でしょうか。

俺が、俺がと、全面に出たがる人はほとんど人の話を聞かない傾向があります。しかし、こういうタイプは、コミュニケーションをとることにそれほど困難を感じていないでしょう。そもそもコミュニケーションについて、それほど価値を置いていないように見えます。

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私はある組織に依頼されて、関連の子会社にインタビューに行ったことがあるのですが、そのときその組織のトップも一緒についてくることになりました。

さて、インタビューが始まると、私が子会社の人に質問すると、この人がしゃしゃりでて「こうあるべきだ」などと、滔々と話し出すのです。

インタビュー1時間か2時間のうち、80%はこの人がしゃべっていましたから、インタビューはぶち壊し。何のためにはるばる大阪まで行ったかわからないありさま。まあ、憎めない人なんですけどねえ。

一匹オオカミの人、意固地な職人タイプの人もコミュニケーションは難しいですが、それほど必要を感じていないでしょう。我が道を行く、我田引水の塊のような人ですから、コミュニケーションなどある意味どうでもいい。自分がいつも正しいと思っています。

自分じゃコミュニケーションをしっかりとっているつもりでも、全然とれていない人もいます。会話をよく聞いていると、なんのことはない、自分の言いたいことだけ言っているのです。なんとも能天気、幸せな人です。

こんなふうに、コミュニケーションなどとらなくても平然としている人に比べて、コミュニケーションをとらなければと考えている人は、気が優しいというか、人がいいというか。

コミュニケーションに困ったら、相手を観察して相手のよいところをほめればいいんですよ。そうしたら、相手は喜んで勝手にしゃべってくれます。

私のところのL研リーダースクールではほめる訓練のコースがあります。奥は結構深いですよ。

 

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。
L研リーダースクール初等科1

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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ほめることのできない人

ほめることができない理由はいくつかあります。

そのなかで、最も深刻なのは、リーダーとしての立場を保てないことでしょう。

メンバーの中に、自分より優秀だと思える若い人がいると、嫉妬し、やっつけてやりたいと思う。

そこで、メンバーの悪いところを声高に批判したり、叱ったりする。また、当てこすりをしたりする。

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こういう人は、リーダーの仕事とは何かをわかっていない。リーダーは部下に仕事をしてもらってはじめて仕事をしたことになる。それがわからないものだから、部下と同列になって、同一目線で競争してしまう。

時々こういう人がおります。要するに、自分に自信がないんです。

こういう人をリーダーにすること自体が間違っています。

心当たりのある人はすぐに心を入れ替えて、拙著『リーダー感覚』を読むことです。

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。
L研リーダースクール初等科1

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

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