ゆっくり話すのがよいコミュニケーション法だって?

印象がみるみる変わる話し方の例として、ゆっくりと話すことをあげる人がおります。

好きなことや自信のあることを話すときや、相手が関心を示す様子が分かるとうれしくなって早口になるものなのだそうです。また「聞いてほしい、もっと話しがしたい」という気持ちが先走り、体も前のめりになるとか。

こういう人は、押し付けがましさが強調されてしまうそうで、早口だと意識していない方でも、普段から少しだけゆっくり話すことを心がるとよいそうです。

どうでしょうねえ。みなさん、どう思います。

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私は絶対不可能だと思っています。人間には人それぞれの快適「速度」というのがある。それを知らない人は、訓練すれば話すスピードはコントロールできるものだと思っている。

しかし、会話のはじめのうちはコントロールできても、しばらくすれば地が出てしまいますね。これは身体についているものですから、まず不可能。

私の知り合いの先生なんか、猛烈に早口でした。頭の回転速度が猛烈に早いので、舌の回転がついていけないのです。

こういう人が、ゆっくりしゃべると、そのうち自分が何を言っているのかわからなくなってしまう。身体についている性癖というのはそう簡単に変えられません。

だから、速度を落とそうなどと考えず、早口は早口自体を変えるのではない別の工夫を考えた方がよいと思います。

しゃべる人にも固有の速度があるように、聞く側にも固有の速度があります。自分より遅いとイライラすることがあります。あまり早いとついていけないこともある。

また、ものすごく遅い速度でしゃべられると、妙なことに「おごそか」な感じがしてくるものです。

たとえば、祝辞なんかそうやるといい。当たり障りのない祝辞をつくってみました。早口でそれをしゃべるのと、ゆっくりしゃべるのでどんな感じを受けるか、声を出して読んでみてください。

「このたびは、創業40周年おめでとうございます。

これもひとえに、社長をはじめ従業員の方々のご努力のたまものだと思います。

また、関係者の方のご支援やお客様のご支持があったればこそだと思います。

どうか、これからも、よいサービスを創意工夫され、地域のため、社会のためにご尽力いただけますよう、心よりお願い申し上げます」

なんの変哲もない祝辞ですが、これを天皇陛下が式辞を読み上げられるように、ゆっくりと穏やかに話すわけです。

どうです、粗忽者のあなたでも、なんだかおごそかな気分がしてきたでしょう。

これなら、結婚式のスピーチでも困りませんね。文章は短くていいから中味をいろいろ考えなくて良い。

それに、紙に毛筆ででも書いておいて、それを読み上げるだけでいいわけで、これくらいの長さなら、話す速度はコントロールできるでしょう。