コミュニケーションにおける暗示効果

暗示というのは、相手にこちらが意図する空想を生じさせる技術なのです。そういう空想がわくと、それに伴う行動が出てくるからです。

つまり、こちらが期待している行動を、相手に空想を通してとらすことなのです。

今回の3党合意の場面では、自民党がその手を使いました。

====

以下は民自党首会談:「密室の30分」自民が演出- 毎日jp(毎日新聞)の引用です。

「野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁が8日夜、『近いうち』の衆院解散・総選挙の実施で合意した党首会談で、2人だけで約30分間会談したのは、自民党が仕掛け公明党が協力したものだったことが9日、関係者の話で分かった。

首相と谷垣氏の会談は国会内で約40分間行われ冒頭は民主党の樽床伸二幹事長代行と自民党の石原伸晃幹事長が同席。石原氏は開始から約8分たったところで『樽床さん、出ましょう』と声を掛け、『えっ』と戸惑う樽床氏を連れ出し、『密室の30分』を作り出した。

谷垣氏は党首会談を受ける際、2人だけの会談を希望したが、早期解散に否定的な民主党執行部から『お目付け役』の樽床氏が同席することになったため、石原氏が谷垣氏と示し合わせた。公明党の山口那津男代表も2人の会談後に加わることにして協力した。

首相と谷垣氏が解散時期を巡り『密約』を交わしたか否かは不明だが、自民党幹部は『2人きりにすれば、発言は表に出ず、何か確約したのではないかと疑いを呼べる』と狙いを語った」

2人だけの時間をつくることで、まわりの人間にあらぬ空想を生じせしめた、狡猾な作戦といえます。

もっとも、この記事からは、2人だけの対談は自民が仕掛けたものであり、野田首相が積極的に解散を明示する意図はなかったとも読めます。

裏でこの記事を書かせたのが民主側であったとすれば、「空白の時間は、実はたいした意味はなかった」ということを暗示したかったとも考えられます。

ですから、新聞の解説はその記事が書かれた背景を推測しないと危なくてしかたありません。あまり、新聞解説をまともに信用しないことです。