コミュニケーションの戦略

コミュニケーションを考える場合、単純に相手に何かを言うという以外に、昨日申し上げた組織内のサブシステムの相互作用を考えながら行う方法があります。

これには、物事をシステムとして見る見方が必要になります。

何をシステムとして捉え、そのなかの構成要素(サブシステム)をどこまで頭に入れるかということがだいじになります。

これは、そのまま問題の定義、システムの定義につながります。

この概念を示したのが、ビニール袋と黄金のビー玉の図です。

Blocker,つまり問題とはゴールの黄金のビー玉に触れるのを妨げている障害のことです。

それにばかり固執し、それを除くことばかりに気を奪われていると、もっと間接的ではあっても楽に解決する方法を見逃してしまいます。図では、X→Y→Goalという経路の存在が発見されています。

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以下、私がしばしば取り上げる簡単な例をご紹介しましょう。

郊外の一戸建てを買おうとしている家族がいるとする。購買決定者はご主人である。

しかし、本当のところ、ご主人はもうひとつ乗り気でない。今は仕事が忙しくて、とても家探しをする気になれない。それに職場から遠く離れた郊外に住むとなれば、通勤時間はいまより増える。そうなれば睡眠時間を削らないといけないなどと、内心ためらいがある。

これに対して奥さんは、子供の教育や生活環境を考え、どうしても郊外の家がほしいと思っている。家の間取りやらなにやら現実的な問題は奥さんの主張が通る。

気の利いたセールスマンなら、ご主人をあとまわしにして、まず奥さんに取り入ろうとするだろう。そして、ご主人を説得する材料を、奥さんといっしょに考え出すかもしれない。

もし、これとは逆にご主人の方に先に話をもっていけば、話はちっとも進まないだろう。

争点のビー玉(この場合はご主人)に直接アクセスするのが難しいときは、迂回しながらアクセスルートを探すのは当然のことです。これが伝動戦略なのです。

このケースでは伝動戦略を頭に入れながら、コミュニケーションをとっていくことで、成功率が高くなることを示しています。

これがコミュニケーションの戦略ということですね。