コミュニケーションスキル(叱る技術)以前のリーダーの態度を考える

リーダーが用いるコミュニケーションスキル――ほめ方、叱り方などですが、これには定石があります。

「ほめるときは100パーセント、ピタッと当ててほめる」、「叱るときは70パーセント程度に当てるだけにする」というのが定石なのです。

ほめるときは、相手がほめてほしいと思っていることをピタッと当てなければ、相手に感動を与えられません。これができるためには、相手の感受性を理解していると効果があります。

一方、叱るときは、急所を少しはずして叱るべきです。もろに急所を突かれると、相手は立ち上がれなくなるか、さもなければ逃亡してしまいます。

実は、私はこの件で大失敗したことがあります。以下は『リーダー感覚』に書いた私の失敗例です。

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ある人が「戦略案をつくっても、ラインがそれを採用してくれない」と、愚痴をこぼしたのを聞いて、私は「あなたの戦略策定能力に、どこか弱点があるのではないか」と言いました。

すると、相手は猛反発しました。

このような反応は、実は私の指摘が図星だったからです。自分の身を守りたいと思うと、人間はそうやって猛反発するものなのです。しかし、相手がそのような反発を示したのは私の失敗でした。

欠点を指摘するときは、相手を選んで慎重にしなければいけないといつも言っている私が、失敗してしまったのです。

しかし、私が失敗したのは、相手の心の余裕を見損なったからではありません。実は、相手が生意気で小憎らしいと思ったから、つい嫌味を言ってしまったのです。

度量が小さいリーダーは、部下を認めずに批判したり嫌味を言います。批判や嫌味を言うのは、部下と同列にいて、部下と競争しているのと同じことです。リーダーはそういうことをしないよう、常に自分を戒めていなければなりません。