コミュニケーション以前の問題

物事には機というものがありますね。コミュニケーションにもそういうところはある。その機をいかに捉えるかということが大事でしょうね。

これは『リーダーの暗示学』に載せた私の例ですが、ある外国の運送会社が日本の航空会社に荷物の輸送事業の提携をもちかけたことがありました。

そのとき、運送会社に雇われた香港のコンサルタントが、日本の航空会社にプレゼンをするというのです。

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で、私は付き添ってくれと言われて、プレゼン会場に行きました。

私は裏の事情を何も知らされず、まあ傍聴人みたいな感じでおりました。

そういうのは実にくだらない仕事すが、まあ事情もあったから仕方なくでしたね。

こうして、会場で日本人に対してプレゼンが始まるわけです。

ところが、事前に根回しも何もなくプレゼンが始まったようで、日本人の方は初耳のことばかりのようなんです。

そして、驚いたことに、まだ日本の会社がなんの反応も示さないうちに、コンサルタントは、業務調査をしようと言い始めました。

その調査の量たるや半端じゃないのです。相当本気でないとできない調査でした。

会場の日本人の顔がだんだん険しくなってくる。

ああ、こりゃダメだなと思いました。実際そうなりました。

このコンサルタントはなんで断られたかわからないと言っていましたが、ひどくへぼなコンサルタントでしたねえ。

コミュニケーションしようにも、前段の準備無しでは話にならないんですね。

人間関係をつくることも必要だし、どんなメリットがあるかをよく説明することも必要でしょう。提案というのは、相手の気持ちが高まらないとなかなか受け入れられるものではありません。

そういうのを抜きに、いきなり「買ってくれ」では、通らないのは当たり前です。