たまには、チーム運営のコミュニケーションを扱いましょう。これはL研リーダースクールでは高等人間行動学科で学ぶことになっていますので、このブログではあまり取り上げていません。
重要なことは、リーダーが目指すべき方向を示すことですが、それをコミュニケーションで具体的にどう表現したらよいかを考えてみます。
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残念ながら「こうしてほしい」と方向を言っただけではあまり効果がありません。効果があるのは、リーダーの行動に沿っている人の行動をほめることです。
つまり、「(自分が)チームのなかで増やしたい部分に(自分から)反応する」ようにするとよい結果がでる、というのです。
もっとわかりやすく言えば「よい反応を示している人をいちはやく集団の中で見つけ、彼らを、認め、励ます」ということ。
たとえば、高校生のワークショップでは、
「あっ、そこの後ろの男子の人たち、積極的に動いてくれてますねー! いいですねー!」
「あっ、前の女子の人たちは、もういすを移動して円になって座っていますね。動きがかろやかですね」
「みんな協力的に動いてくれて、進行上とっても助かります。ありがとう!」
こう言うと、ほかの子たちもだんだんそのように活動してくれるのだそうです。
大人の場合でも同じ。
10人くらいの社内グループで、常習的に遅刻する人が2,3人いたとします。このとき、新人リーダーはどう対処すべきか。
何も言わないのは最悪。しかし、遅れた人間に文句を言えば、場の雰囲気が暗くなる。そこで、こうする。
「まとめ役の私が新人であるにもかかわらず、非常に多くの先輩が、毎回時間をきちんと守って集まってくださっていること、大変助かっております。とくに本日は棚卸しの時期で、仕事を抜けてくるのも大変だったと思いますが、時間厳守できてくださってありがとうございます」
このように言うと、いつも時間をきっちり守ってきている人は、認められたので悪い気はしない。これからも時間を守っていこうと励まされる。一方、遅刻し続けている人は、
「まとめ役が新人だから、少々遅れても、まあいっか、と思ってきたけど、みんな意外にちゃんと協力してるんだな」
「遅れていたのは俺だけ?」と時間厳守で来ている人に、神経を使い始める。
チーム運営というのは、よいところにスポットライトを当てるようなものですね。