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人間の切り分けと暗示

随分前のことですが、ジョルジュ・シムノンというフランスの推理作家の「メグレ罠を張る」(ハヤカワ文庫)を読みました。

シムノンという作家は、人間を描くのがたいへん上手です。体癖の勉強にもなります。

この本のなかで、メグレ警部が精神病理学者のティソオに、犯人のプロフィールについて意見を求めている会話があります。


連続殺人犯が、定期的に殺人を犯すのではないかとメグレは考え、質問します。

「暗号を解読する時のように、私はあらゆる方式と、あらゆる鍵とを試みてみました。最初は満月に関係があるという説も出しました」

精神病理学者のティソオはこれにこう答えます。

「人は説明のつかぬ行動を問題にする場合には、よく月のことを重要視するものですよ」

「あなたはそれをお信じになりますか?」

こうメグレが問い返すと

「医者としてはノンですな」

「人間としては?」

「さあ、どうですかな」

このあたりの会話、なかなかしゃれているとは思いませんか。

これは拙著「リーダーの暗示学」で言うところの、心の切り分け術。

都合の良いところを引っ張り出す手段です。こういうふうに応用できそう。

人妻にチョッカイしようという男がいて

「僕と付き合ってみないか?」

「ダメよ、私には主人がいるから」

「妻としてはな。でも女としてはどうなんだ?」

なんて、あなた、一度言ってみたいでしょう?

……あなたには無理ですな。三十年早い。

せいぜい『リーダーの暗示学』でも読んで勉強しなはれ。

ちなみに、人間の切り分けがなぜ暗示と関係するかというと、人間の特性の一部だけを使って相手の観念をすり替えてしまうことができるからです。

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『リーダーの暗示学』の暗示技術は、相手の潜在意識に語りかけるための技術です。自己暗示ではありません。相手の深い心に働きかけるのが、リーダーのための暗示技術です。こちらに解説があります。
リーダーの暗示学リーダーの暗示学の詳解

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