危機感で人を動かすか、希望で人を動かすか

4,5年前ですが、エコノミストの竹中正治さんが、日本人のリーダーは「危機感駆動型」だと言っておられました。

「『このままではお前(日本)はダメになる!』『危機だ!』と言われると強く反応して動き出す」

「『危機・没落に直面しているのだから構造転換(改革)しないと日本はダメになる』なんて議論は、戦後を通じて何度も形を変えて繰り返されてきた」

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これに対して、「米国人に多い類型は『希望駆動型』で、『できるじゃないか!』『ステップアップできるぞ!』と励まされると強く反応して動く。

エコノミストも、米国では毎度楽観的な見通しを言う連中がなぜこうも多いのかと、竹中さんは首を捻っています。反対に日本のエコノミストには、どうして「危機の預言者」みたいな連中がわんさといるのか、ですと。

政治も同じだそうです。日本の歴代首相や政治家は、「まず危機感の強調から始まるタイプが多い。『日本はこのままではダメになる!』方式となる。

一方、米国の大統領、政治リーダーたちはどんな困難な状況でもまず希望を語ることから始める。『私のリーダーシップを受け入れるならば、難局は打開できる』と、まず希望を語るのが米国のリーダーの資質だ」

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上の文章を読み返すと、いまでも変わらないなあと思います。

アメリカのオバマは、リーマンショックのあとでYes,We canでしたね。

野田総理は財務官僚に丸め込まれたかどうかしりませんが、「今決断しなければ日本が危ない」としきりに言っています。

税と社会保障の一体化なければ、日本の未来はないとかなんとか言いながら、社会保障の未来像はこれから考えるだそうです。

原発再稼働もそうでした。「このままでは電力需給が危ない」

ただし、「では根本的にどうしたらよいか」という希望のビジョンがないから、「危ない、危ない」というただの脅しになる。

そして、脅しておいて、「だから自分の言う事を聴け」だけになる。

どういう状況で希望と機器駆動を使い分けるべきか、またそれぞれどういうように計画をつくるべきか、考えてみれば私は拙著『暗示型戦略』にそのあたりをていねいに書いていました。