相手が聞く耳をもっているかどうかで対応を変える

今日はコミュニケーションというよりは、リーダーや教師の指導における課題というようにお考えください。

人間は基本的に人の話を聞くのはいやなものと考えるべきでしょう。

だから、人の話を聞くのは、その気になるときだけ。

相手がその気になって聞いているときだけが、リーダーの言葉が役に立つとき、ということでもありますね。

ですから、相手に聞く気があるかどうかをよく見て、何か言うということも大事です。

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相手が聞く気がないといっても、悪意ではない場合もあります。

そもそも、理解できない状態というのがあります。

たとえば、私の書いた『先見力訓練法』。

私自身はそんなに難しい内容が含まれているとは思っていないのですが、「難しい」とよく言われました。

しかし、そういう人もあとから、「ああ、そういうことだったのか」と分かってくれました。

その人に言わせると、私の本を理解するためのいろいろな前提が20代のころはまだ不足していて、30台半ばになってようやく理解できるようになった、ということです。

この本はいろいろな社会現象を含んでいるため、社会行動の基本的なとらえかたなどが問題だったのかも知れません。

ともかく、ある基本条件が準備されていないと、何か言ってもなかなか理解できないものです。

また、頭ではわかったつもりでも、それが使えるかとなると、また別問題です。

それが、ある体験によって、「ああ、先生の言っていたことはこういうことだったのか」と腑に落ちることがよくあります。

そうなった段階になって、ようやくその知識を使えるようになるわけです。

私自身もいまでもそういうことはよくあります。まあ、人によってはこれを「気づき」と呼ぶかもしれません。

以上のことをまとめますと、指導する側は相手が聞く耳にあるかどうかを見極める必要があります。

聞く耳があるなら、それに対して適切な指導なりコミュニケーションをとればよいわけです。これは感受性に応じてコミュニケーションをとるのがよいでしょう。

問題は、相手が聞く耳がない、あるいはまだ聞ける状態でない場合。こういうときどうするか。

いろいろなテクニックもあります。それについては拙著『リーダー感覚』に、「機、度、間を考える」というような項がありますので参考にしてください。

また、『リーダーの暗示学』の第7章には、おもしろい例を載せています。

たとえばコマーシャルの効果ということですが、私は高橋英樹さんの越後製菓のおもちのCMがいちばん効果的だと思っています。

なんのことはないコマーシャルです。ただ「正解!越後製菓」の連呼なんです。

しかし、単純なフレーズを繰り返していくと、いつのまにか潜在意識にしみ込んでいきます。この場合、単純なほどよい。

そのフレーズが、あるとき何かの体験と結びつくわけですね。

たとえば、スーパーに行って、たまたま越後製菓のもちを見たときとかですね。つまり、このフレーズは一種の伏線的な効果をもたらすわけです。

詳しい説明はここでは省きますが、世の中にはいろいろ参考になることがありますから、視野を広げて他分野の成功例などを研究することはとてもよいことです。