私が人をほめたとき3

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この先生の反応は、私にとって非常に興味深かった。

私は「べージュで統一している」という事実は指摘しているが、「高そうなスーツですね」というような服装に関する評価は何一つ言っていないのである。

にもかかわらず、相手は喜んでいる。

さて、今日は相手の反応を導きやすい言葉について考察してみよう。

主観的、あるいは感情的な言葉よりも、俳句で言う写生――淡々と事象を描写する方が情景やイメージを浮かべやすい。

「すばらしい洋服ですね」よりも「ベージュで統一している」という客観的で視覚的な言い方の方が、相手の空想が広がりやすいし、感情を揺さぶりやすい。

相手が自分自身持ちたいと思っているイメージを無意識に思い浮かべさせる言葉を聞かされると、そのイメージは勝手にどんどん膨らんでいく。

このとき、相手が空想しやすいように余白というか伸びしろを用意しておく。

言い替えれば、相手の空想が広がっていくのを邪魔しないように、できるだけ余計な修飾語は避けることだ。

(引用:佐藤直曉『伝動戦略』より)