部下と競争するリーダーは最悪

ホンダの創業者本田宗一郎さんは結構手荒い人で、部下が真面目に仕事をしないと、ハンマーか何か工具をもって追いかけるような直情的な人だったそうです。

本田さん自身がテストドライバーになって車を運転をしたとき、車が壊れてヘタをすれば命を失うような事故が起きたときがありました。

担当者は真っ青な顔でやってきましたが、本田さんは特に怒った様子も問い詰めることもなく、お茶を飲んで世間話をするだけだったそうです。

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本田さんの名女房役と言われた藤沢さんという人は、こんなことを書いています。たぶん、本田さんから見習ったことだと思います。

「得意になっている人に一喝やると伸びるが、失意の人にダメだと言えば、ただでさえ悲観しているのにますますマイナスになってしまうので効果がない」

このようなことがわからないと、本当は最良のコミュニケーションをとれないでしょうね。

そもそも、なぜリーダーが怒るのでしょうか。

たいていは、自分の感情を抑えきれないからです。

そもそもすぐ感情的になるタイプがおります。言葉よりも先に手が出るタイプもおります。ゲンコツです。昔の頑固オヤジにはそういう人が多くおりましたね。

一方、徹底的に自制している人もおります。感情を抑制するタイプがおります。自制しているだけに、タガがはずれると、ちょっとしたことで怒りが沸騰してしまうことがよくあります。

いずれにしろ、欲求不満が心の底にある。

しかし、最悪なのは部下と競争するリーダーです。部下と競争するとは、部下を批判したりイヤミを言うことです。

自信のないリーダーは、自分の有能さを誇示したい、自分を認めてもらいたいと思い、そのあげく部下と競争します。これはリーダーとしてはいちばんしてはいけないことです。

実力のないリーダーほど、部下を支配しようとして怒鳴り散らすものです。

リーダーとは何かをわかっていないから、こういう行動になるのです。たとえば、有能な営業マンに営業所長が怒鳴ったりイヤミを言うようなことです。この所長は、自分の仕事をまだ営業マンと同一線上にしかとらえていない。だから、部下と競争してしまうのです。

このようなリーダーは、コミュニケーションうんぬんの前に、リーダーとは何かを学ばないといけません。

 

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