鳴くまで待つか、鳴かしてみようか

コミュニケーションの手順についてもう少し解説を続けます。

コミュニケーションにおいて重要なのは、相手がこちらの話を聞く気があるかどうか判断することです。

それがOKなら、次のステップとして相手に働きかけていくという手順になります。

そこで、リーダーは、まず相手が聞く耳があるかどうかを見ていきます。

そして、そうでない場合は、以下の二つの手段があります。

====

1)相手が聞く耳をもつ状態まで待つ

2)相手が聞く耳をもつ状態をつくる

順序が逆になりますが、2)については、営業マンが顧客に耳寄りな話をもちかけるようなことです。

また、コミュニケーションスキルの面から言うと、「さわりだけを話し、あとはさっと中断する」といった手段が考えられます。

もちろん、常々言っていますように、相手の感受性に沿うような話し方にするのは当然です。

このあたりのテクニックについては、拙著「リーダー感覚」を参照してください。

L研リーダースクール関連サイトに「リーダー感覚」の紹介ページがあります。

1)については、リーダーはその時期の見極めと忍耐心が必要です。

この感じは、栄養を摂取するのと似ています。

どんなに高栄養価の食品でも、相手に必要ないものは受け付けられません。相手の消化吸収力が弱いときには、かえって害になります。

また、相手がこちらの話を理解できるためには、最低限、こちらが話しているベーシックな部分を共有している必要があります。

さもなければ、どんなによい内容でも、理解できません。

たとえば、拙著「先見力訓練法」は、読者の方の意見から判断して、若い人にはなかなか理解されにくいようです。

でも、30代半ばを過ぎて、いろいろ社会経験を積むと、「だんだん理解できるようになってきた」と言われます。

物事を理解するまでには、いろいろな前提条件があるものです。それが満たされるときこそ、機が満ちるというのでしょう。

メンバーが理解できるまでに時間がかかると判断したら、リーダーはそれまで忍耐強く待つ必要があります。