認める技術に必要な人間を見るセンス

認める技術とほめる技術は一見似通っています。

というのも、両方ともほめることを通じて人の心を動かそうとしているからです。

では違いはと言うと、ほめる対象が異なるのです。

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ほめる技術は、相手がよいことをしたらほめます。あるいは、よい才能があればそれをほめます。

それは誰の目にも明かな事実に基づいて行われます。

一方、認める技術とは、まだ相手が気がついていない相手の長所やメリットを相手に認識させることです。

ですから、相手にとっては少々意外性を伴うことが多いでしょう。

しかし、それは相手の自尊心を満足させ、それを受け入れると、相手はその方向に成長していきます。

もちろん、どんなことでもいいわけではありません。

「君は頭脳優秀で天才的だ」
「君は健康万全だ」

などと言っても、まず信じないでしょう。

そんなことはふつうの人間にはありえないからです。

嘘を言う必要はありません。大げさなことである必要もないのです。

従来の相手の考え方に少し角度を変えて提示すればよいのです。

たとえば、仕事のスピードが遅い人に対して

「慎重な仕事ぶりがよい」と言えば、相手は慎重さを一層増すでしょう。

問題は、実際に何を認めるかです。

それは、日ごろからの観察によって、相手のよいところを見抜くという、いわば人間を見るセンスが必要になってくるのです。