コミュニケーションのタイミング2

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前回、コミュニケーションをとろうにも、そもそも聞いてもらえる状態にもっていくことが一苦労なのだ、と申しました。

で、リーダーはそれに対してどうすべきか。

鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギスーーでいくこともあるでしょう。

相手が聞きたくなるまで、じっと待っているということです。

スポーツのコーチなんかは、この手をよくやりますね。

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ただし、相手を見ないといけません。

むしろ中堅選手に向いた指導法です。

プロなんだから、自分で考えろ。でも、聞いてきたら、いつでも答えられるようにして待っている。

それが大リーガーのコーチの態度らしいです。

これを新米の選手にやってもあまり効果がないでしょう。そもそも基本ができていないわけですから。

次は、鳴かぬなら鳴かしてしまえ、ホトトギス。

これは、相手が聞きたくなるような環境をつくること。

これについては『リーダー感覚』にいくつか例を示しています。

興味をもたせて「答えを教えてほしい」と、渇望させることです。

ラグビーの元日本代表監督の平尾誠二さんが、使っていた手を本で紹介しています。

すご技を見せて、「みんなで研究してみろ」というだけで、知らん顔している。

すると、選手はなんとかあの技を手にしたいと一生懸命ああでもない、こうでもないと工夫するが、なかなかできない。

こうなれば、「教えて、教えて」という精神状態になる。

そのとき、頃はよしと平尾監督さんが登場する。「こうやるんだ」とね。

聞く耳をもたせた、焦らし作戦とでもいいましょうか。

最後、鳴かぬなら殺してしまえ、ホトトギス。

さすがに、これはリーダーとしてはかなりの劇薬ですが、状況によっては使えますかね。

得意技を使うのをあえて禁じてしまう。

横綱千代の富士が若い頃は、身体が小さいくせに大技の上手投げばかりやるので、肩が抜けてしまった。

そこで、師匠が上手投げを禁じ、前ミツをとる相撲に変えさせた。覚えるまでは全敗覚悟だったようです。得意技を封じられたんですからね。

将来を思って、いまのうちに新しいコースを歩ませることが、部下の成長には必要なことがあるかもしれません。

新しい方向に進ませるように、部下を誘導するわけです。

すると、窮すれば通ずで、その方向にふさわしい新しい技を獲得するようになる。

原発廃止なんか、そういうことでしょ。

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佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科のメインテキストです。初等科では、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。さらに、人間分析法として、人間の価値観10タイプの解説を動画で提供しています。

立読みはこちらからどうぞ

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

■関連資料:佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』
人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。
リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

立読み:こちらからどうぞ

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コミュニケーションのタイミング

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人の話を聞くなど本来面倒なことです。

話を聞いてもらおうにも障害は数え切れないほどあるわけです。

相手は忙しすぎて、話を聞きたくても聞ける状態ではないかもしれません。

相手にとっては、話の内容がまったく興味のないものかもしれません。

興味がなくはないが、(昨日お客さんとのつきあいで飲み過ぎたせいか)人の話をあまり聞きたくない体調かもしれません。

そもそもあなたに興味がないかもしれません。

聞いてくれてはいるものの、お義理でつきあっているだけかもしれません。

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ですから、聞いてもらえる状態にもっていくことが、そもそも一苦労なのです。

そこを適当にしたら、いくら熱弁をふるっても、馬の耳に念仏ですね。

ひとつ大事なのは、話を切り出すタイミング。

人はうまくいかないと、ついジタバタ動いてしまうことがよくあります。でも、タイミングが合うまでじっと待つこともときには必要です。

相手が困っていたり、弱っていたりして、誰かの力を借りたいと思っているようなときは、大いにチャンスありです。

相手が聞く耳を持つ状態になるまで待つ事も大事。

勝負の時には、勢いの波がこちらに来ているかどうかが重要です。

能の中興の祖、世阿弥は、こちらに勢いがあると思える時を「男時」(おどき)、相手に勢いがついてしまっていると思える時を「女時」(めどき)と呼んでいます。

「時の間にも、男時・女時とてあるべし」

「いかにすれども、能によき時あれば、必ず、また、悪きことあり。これ力なき因果なり(避けることは出来ない)。」

「信あらば徳あるべし」——信じていれば、必ずいいことがある。

 

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■関連資料:佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』
人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。
リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科のメインテキストです。初等科では、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。さらに、人間分析法として、人間の価値観10タイプの解説を動画で提供しています。

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デールカーネギーの『人を動かす』に欠けているもの

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あらためて、デールカーネギーの『人を動かす』の目次を見てみました。

名著であることは間違いないでしょう。ただ、足りないところもあります。

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特に人を説得する12原則を見直してみました。

人を説得する十二原則

  • 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。
  • 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。
  • 自分の誤りをただちにこころよく認める。
  • おだやかに話す。
  • 相手が即座に’イエス’と答える問題を選ぶ。
  • 相手にしゃべらせる。
  • 相手に思いつかせる。
  • 人の身になる。
  • 相手の考えや希望に対して同情を持つ。
  • 人の美しい心情に呼びかける。
  • 演出を考える。
  • 対抗意識を刺激する。

人を変える九原則

  • まずほめる。
  • 遠まわしに注意を与える。
  • まず自分の誤りを話した後、相手に注意を与える。
  • 命令をせず、意見を求める。
  • 顔を立てる。
  • わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる。
  • 期待をかける。
  • 激励して、能力に自信を持たせる。
  • 喜んで協力させる。

上で共通しているのは、相手の自尊心を満たすことをまず考えるということでしょうね。

でも、私に言わせると、徹底的に不足していることがあります。

たとえば、説得の場合には、相手にわかる言葉で話すということがあります。

私は人を動かすとはこういうことだと考えています。

Commu

 

 

 

 

 

 

カーネギーの言っていることは、基本的には波長あわせの部分です。

相手の道理に基づく提言を行うためには、「相手の言葉」で語りかけることが必要です。

その意味は、「相手の行動基準に沿って話しかける」ことです。

相手がロジカルな人ならロジカルに説明し、相手が名誉を重んじる人ならそれを手に入れられるように提案することです。

■参考書籍『リーダーの人間行動学』 

部下の力を発揮させられない、人付き合いが難しい。その根本原因は相手の行動基準を知らないからです。人間をどう見るのか、人をどのようにリードすればよいかを示す教科書としてお読みください。

相手と対立しないコミュニケーションプロセス

部下がやる気のない否定的な言葉ばかり言う。

そこで、部下を鼓舞しようとして、前向きなビジョンや解決策を上司は提示するが、いっこうに効果はない。

なぜか。

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今日は上司のポジティブな言葉 なぜ部下は後ろ向きになってしまうのか – SankeiBiz(サンケイビズ)から引用します。

原因は、相手の言っていること(さらには相手の潜在意識、観念と呼びますが)を全面的に否定するところから始めるためです。

これでは、とても相手には受け入れられません。

上記の記事では、次のステップを踏むことを推奨しています。

ステップ1:相手の気持ちを理解して、それを認める

ステップ2:同意できる部分を認める

ステップ3:相手が前向きな感情をもっている対象を見つけて、その感情を強化する

ステップ1と2は、共感の作業ということです。

これでようやく、相手は聞く耳をもってくれる。

そして、相手の肯定的な部分を見つけて、そこを認める。ハイライトするということ。

いつぞや説得のプロセスとして、このブログでもご紹介したプロセス

と基本は同じです。

ですから、ひとつ学べば応用は無限といえます。

そのポイント解説を動画でご覧ください。

初期の動画で、音質が悪くて恐縮ですが、短いので我慢して聞いてくださいね。

 

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

 

欲求をあえて中断させるコミュニケーションスキル

コミュニケーションでは相手の注意力が高まっていないとうまくいかないことがあります。そこで、欲求をわざと中断して、相手の注意力を高める方法があります。

何かの原因で、それまで喜んでやっていたことを止められると、欲求不満に陥る。そして、欲求は、中断される前よりもっと激しくなる。

コミュニケーションの技術として、こういう心理を使うこともありえます。

映画や本の宣伝などもそういうテクニックを使っていますね。いいところだけ見せて、買いたくなる気持ちを高めるわけ。

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中断欲求の例を拙著『リーダー感覚』から。

◆オレンジタルトの呪縛
私を含む数名のコンサルタントと二人のクライアントが、昼食をとったときのことである。

食事が終わるとケーキを乗せたワゴンがやってきた。どうしてそうなったのか思い出せないのだが、何かのはずみで、クライアントではなく、我々スタッフからケーキを選ぶことになった。
 
特に、うまそうに見えたのがオレンジ・タルトだった。こいつは秀悦で、あたり一面が黄金色に輝いていた。

誰の目にもそれは明らかだったから、みなそれからピックアップしていく。コンサルタントの中で私は最後だったため、私の番がきたときには、オレンジ・タルトは二つしか残っていなかった。

やっときた――そう思ったとき、私はふと二人のクライアントと目が合った。すると、彼らもオレンジ・タルトをほしそうな目つきをしているではないか。
 
オレンジ・タルトはあと二つ。人間は三人。仕事をするより真剣に計算したが、どうしても足りない。一縷の望みをかけて再度計算し直したが、どうしても数が合わない。

ここに至っては是非もなし。私はやむなくチョコレート・ケーキを選んだ。案の定、クライエントたちはオレンジ・タルトを選び、幸せそうな顔をしていた。
 
帰り道、私は上司に言った。
「オレンジ・タルトは実にうまそうだったなあ。クライアントがほしそうな顔をしていたから譲ったけれど……」

上司はハッとして、クライアントの扱いにミスがあったと、ようやく気がついたようである。

それから、しばらくの間、食事になると私の頭にオレンジ・タルトが浮かんだ。

数日後、上司が例のレストランに行こうと私を誘い、「好きなだけオレンジ・タルトを食べていいぞ」と言ってくれた。

私はお言葉に甘え、オレンジ・タルトをいただいた。もっとも、いくら好きなだけ食べていいとは言われても、また、大の甘党の私であっても、世間体というものがある。それに食後のことだ。四つも五つもは無理だ。

しかし、ともかくも、これでようやく私はオレンジ・タルトの呪縛から切り離されたのである。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

 

 

ほめる技術で気をつけること2

前回は、ほめる技術の使い方を間違えると思わぬ失敗があることを説明しました。

では、このような場合、どのような対処法があるでしょうか。

ほめる技術をもう少し広く考えることも大事ではないかと私は思います。

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前回のほめ方は、私に言わせると「直接的なほめ方」です。

実はほめ方には「間接的なほめ方」というものもあります。

これについては、なかなか奥が深いものといえます。

私の『リーダー感覚』に載せた事例ですが、

顧客に向けて出す手描きの資料で、顧客が喜んだのを見て、それを書いた人に、リーダーはこう言いました。

「お客さんが喜んでいたわよ」

なにも、「字が上手いね」とほめているわけではありません。

しかし、このような間接的なほめ方も研究する価値は大いにありそうですね。

ほめる技術で気をつけること

子供に、「頭がいいね」と褒めるのと「頑張ったね」と褒めるのとでどう違うか。

スタンフォード大学で1年間調査を行った結果は――

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「頭がいいね」と褒められた子どもの90%がより簡単な問題を選び、

「頑張ったね」と褒められた子どもの90%がより難しい問題に挑戦するようになったそうです。

「頭がいいね」と褒められると、その頭のよさを維持したいという気持ちが働くために、難しい問題を回避する傾向があるのだそうです。

一方「頑張ったね」と褒められると、「もっと頑張ろう」という気持ちになるために、より難しい問題に挑戦する傾向があるのだそうです。

この結果「頑張ったね」と褒められた子どもたちは、
成績が30%アップ!

「頭がいいね」と褒められた子どもたちは、成績が20%ダウンしたということです!

これに似た話は、整体協会の野口晴哉先生が言っています。

御掃除をする子供に「掃除好きだね」とほめたら、せっせせっせと掃除をし、ついには隣の部屋をわざと汚してから掃除しだしたそうです。

そこで「きれい好きだね」とほめたら、こんどはいつもきれいにする子になったそうです。

ほめられることを目的にするといけないわけで、これは大人も同じ。

ある映画監督は国際映画大会で2位を受賞。

この次はなんとしても優勝したいと考えました。

そこで、審査員の映画の好みや性格などを徹底的に研究し、自信をもって次の大会に臨みました。

さて、結果は?

もちろん予選で終り。

なぜかは、わかりますよね。

 

ほめる技術はコミュニケーションスキルにとってとても有効なのですが、使える技術ほどよく考えて使わないといけません。