リーダーになる前にリーダーシップをつけるには

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まだリーダーになっていない人に、リーダーシップを教えるのは結構たいへんなことです。

というのも、多少なりともリーダーの経験がある人に教えれば、過去の体験と理論が結びついて理解しやすいですが、そういうものがない人にとっては、なかなかピントこないものです。

ビジネススクールが職務経験を数年もつ人を募集するのは、教える効果からして当然と言えば当然です。

しかし、これからリーダーになる人にリーダーシップを教える必要があるのも事実です。

リーダーになっていきなり「リーダーシップを発揮せよ」と言われたら、途方に暮れるでしょうからね。

では、こういう人たちに何を教えたらよいか。

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私の最近の講演などの経験から考えて、コミュニケーション・スキルを学んでもらうのがたいへん効果があると思っています。

特に最初はほめる訓練、長所を見つける訓練がよいように思います。

これはL研リーダースクールの初等科で行っているものです。

ここでの主眼は人間観察の習慣をつけることです。

ほめることを強制するわけですから、いやでも人間観察を続けて長所をみつけようとせざるをえなくなります。

これがいつの間にか人間理解力を育むというわけです。

また、この訓練を続けると、ほめることで人の心がどう動くか、どうしたら動かせるかということが、身につくようになります。

さらに、進めば、中等科の一部であるより高度なコミュニケーション・スキルを学べばいいと思います。

ここでは、説得、欠点の修正などをいかにうまくコミュニケーションするかがテーマになっています。

こういうことはリーダーでなくても、仕事で十分役立つと思うので、リーダーになる前の人にとっても興味がもてる内容ではないかと思います。

 

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科のメインテキストです。初等科では、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科の講座です。あわせて、人間分析のための資料を提供しています。

L研リーダースクール初等科

 

教えない指導こそ真の指導

教えない指導というと奇異な感じがするかもしれません。

しかし、教えすぎることはかえって害が多いこともあります。ましてや、リーダーが次々と栄養剤を飲ませるように指導するのはどうでしょうか。

そこには学ぶ者の自発性をまったく理解していない姿しかありません。

以前「啐啄同時」という言葉を紹介しました。

卵のなかの雛がコツコツと卵の殻を内から叩く。その音を聞いて親鳥が外から殻をつつく。

それで雛が生まれるのだという故事です。

親鳥がコーチや教師で、雛が生徒とか学ぶ人。

しょせん、雛がやる気がなければうまくいかない。どんなに外から言っても駄目なものは駄目です。

やはり本人の自覚しかありません。教えればうまくなるというのは錯覚でしょう。

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野球界の名コーチとして知られる権藤博さんの指導理論に私は大いに賛同いたしております。

以下は日経新聞からの引用です。「教えないコーチ」から体罰をみると…  :日本経済新聞」

「どの世界でも頂点を極めるような人は自分で成長のヒントをみつけ、課題を克服できる。

だから、プロでトップを狙おうという選手に教えてうまくなるやつはいない、というのだ。

実際には自分自身の才能に気付かなかったり、失敗を重ねて自分の長所を忘れてしまうなどの理由で伸び悩むケースが少なくない。

そこでコーチの出番となるわけだが、一番大事なのは選手に自信を回復させ、前向きに進む勇気を持ってもらうこと。

それがコーチの一番の仕事だと思っている。」

 

「指導者は「しょせん、やるのは選手」という割り切ったものを、心のどこかにもっていないといけないと思う。」

 

「叱るときに注意しないといけないのは、その人物の本質に関わる部分、一番の長所に関わる部分に触ってはいけない、ということだ。

私の仕事は投手を育てることだが「投球」という本筋に関わるところでガミガミ言ったことはほとんどない。

青山もバントという“本業”ではないところで叱った。自分はここで勝負する、それで生きていくしかないという核心的な部分で“駄目だし”をされたらどうだろう。

スポーツの世界に限らず、自分のすべてが否定された気持ちになるのではないだろうか。負けることによって、一番悔しく焦っているのは当の本人だ。

だから、そこを叱るときは本当に慎重にしないと選手の傷口に塩をすり込み、萎縮させるだけの結果に終わってしまう」

 

うまくなる人は教えようが教えまいが伸びる。

創意工夫の楽しさを知っているからです。

自発性を発揮しないと、人間は伸びません。

ただ、そういう人でやる気があっても道に迷うことは多々あります。

そういうとき、そっと手をさしのべる。これが本当のコーチでしょうね。

リーダーもずいぶん参考になると思います。

 

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

 

ほめるのが嫌いな人とは2

選手をほめない理由

なぜ、野村さんは選手をほめないのでしょう。彼はこんなことを言っています。

1.ヘタにほめると、「なんで、この程度のことでほめるの?」と、思われかねない
2.「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」は、誰が見ても同じことだから、ほめたことにはならない
3.相手の考え方や意見をほめるのは、なかなかできない
4.むしろ、欠点を指摘するほうが簡単である

さて、今のところを読んだ感想はいかがでしょうか。まず、①の「ヘタにほめると、『なんで、この程度のことでほめるの?』と思われかねない」について考えてみましょう。

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どんな相手でもそうですが、ほめるときには、相手が言ってほしいと思っていることをピタリと当てて言わないと喜びません。中途半端なほめ言葉は、心に全然響きません。これは定石ですから、よく頭に入れておいて下さい。

ですから、もし相手にふさわしい言葉でほめることができないのであれば、野村さんの言い分どおり、相手は「なんで、この程度のことでほめるの?」と思うでしょう。

ところで、野村さん自身は、どんなことをほめられたいのでしょうか。それが、どうやらあまりほめてほしくないようなのです。

野村さん自身の関心事は技術の向上だと思います。その証拠に、選手時代、②の「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」のようなほめられ方をされても、ちっとも嬉しくなかったと言っています。その程度の言葉では技術は全然向上できないと、野村さんは思っていたのでしょう。野村さんはそんな中味のない言葉より、もっと具体的な欠点とか改善点の指摘がほしかったのだと思います。

ですから、安易なほめ言葉を使う人を「能力がない人間だ」と、野村さんは軽蔑したくなるのです。人のことをそう思うくらいですから、当然自分もそうしたくないはずです。そこで、野村さんはあまり選手をほめないのではないでしょうか。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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ほめるのが嫌いな人とは

選手をほめない監督

どうやら、野村さん(注:プロ野球の名監督のこと)は、選手をほめることが下手な指導者のようです。

野村さんは、ご自分の著書のなかで、「ほめて育てるという育成法をとったことがほとんどない」とまで書いておられます(ただし、これは楽天監督に就任する以前の話です)。

野村さんは人をほめるのがよほど苦手なのでしょう。ですから、「五つほめて、三つ教えて、二つ叱る」という学校教育の基本を小学校の先生から聞いたとき、複雑な思いにとらわれたそうです。

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ヤクルト・スワローズの監督時代も、野村さんは自分のスタイルをひたすら通しました。私にも覚えがありますが、監督の試合後の談話を聞いていると、選手のことを皮肉ったり、バカにしたり、それはひどいものでした。

テレビで聞いただけの私ですら、あんなにネチネチやられたらたまらないだろうなと心配したぐらいです。ですから、頭にきてやめた外人選手もいたと聞いています。

ところが、古田捕手はテレビのインタビューで、こう言っていました。
「野村監督は絶対に選手をほめませんよ。選手を徹底的にけなして、反発心、反骨心が出てくるのを期待しているんだと思いますよ」

このコメントに対して、野村さんは「うーん、よく見ているな」と、感心しています。

野村さんはこうも言っています。
「(監督に対して)『なにくそ』と反発し、それをエネルギーにしてほしい――と、願っていました」

選手をほめない理由

なぜ、野村さんは選手をほめないのでしょう。彼はこんなことを言っています。

    ①ヘタにほめると、「なんで、この程度のことでほめるの?」と、思われかねない
    ②「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」は、誰が見ても同じことだから、ほめたことにはならない
    ③相手の考え方や意見をほめるのは、なかなかできない
    ④むしろ、欠点を指摘するほうが簡単である

(つづく)

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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