コミュニケーションのための認める技術

まわりの人をよく観察して、認める訓練をいたしましょう。

相手が気づいていないよいところを認めて、ほめてください。それによって、相手がどう反応したかよく観察し、効果について分析・評価してください。

ご参考までに、拙著『リーダー感覚』から事例を紹介しておきましょう。

◆自信を失った後輩を励ます

D子さんの後輩は、仕事が遅いのでめげていました。あるとき、その後輩が仕事のやり方が間違っていないかどうか、D子さんのところに相談にやってきました。

D子さんは後輩の仕事をチェックしたあとで、こう言いました。

「全然問題ないわよ。でも確認するのは大切なことよ。遠慮なく聞いてね」

 そして、こう続けました。

「わからないことをそのままにしておかないことが、仕事を覚えるいちばんよい方法なのよ。だから相談にきたのはとてもいいことだわ」

これで、後輩の行為は承認されたことになります。

さて、ここからは相手に新しい自分を認めさせるための言葉かけになります。

「認める技術」の出番です。

 D子さんはこう言いました。

「あなたは、仕事が遅いと悩んでいるけれど、それは仕事をていねいにやっている証拠よ。ていねいな仕事をする人は、今は遅くても、あとで必ず伸びるものなの。ウサギよりカメなのよ」

後輩はこのアドバイスに喜んで、こんなことを言ったそうです。

「自分が仕事をていねいにやるタイプだとは夢にも思わなかった(でもそうかもしれない)。これからも、仕事をていねいにやっていくつもりです」

笑顔で席に戻ったそうですから、きっと自信がわいてきたのでしょう。

この例では、仕事が遅いということを、ていねいな仕事振りだと言い換えております。これが認める技術です。こう言うことで、新しい能力を相手に確認させているわけです。

多くの人が、長所を認めようとするとき、つい短所に目がゆきがちになります。そのときは、短所をどう解釈するかが大事になります。一例を示しましょう。

反抗的    →自立心がある
自己中心   →自分のことを真面目に考えている
人見知りする →人とのつきあいが慎重で、軽挙妄動しない
物にこだわる →集中力がある

みなさんも、ご自分のまわりのかたを思い浮かべながら、練習してみてください。

L研リーダースクール・人間行動学科指導科1では、通信教育で、ほめる訓練や認める訓練ができる講座があります。