リーダーのコミュニケーションスキル:チームを認める技術2

説得とは相手の意識に働きかけることです。しかし、意識は常に空想に負けてしまうものです。

たとえば「お前は頭脳優秀だ」と言われても、たいていは「俺がそんなはずねぇだろう」と無意識に思ったり、反発する。

なかにはほんとに頭がいいか、うのぼれの強い人もいますから、そんなことはないと反論するかたもいますかね。

しかし「お前は健康万全だ」と言われたら、たいていは「それはどうか」と思うでしょう。

とにかく、言葉で相手の意識に語りかけている限り、相手に行動を引き起こさせるのは困難です。そこで、相手の空想に働きかけることを考える必要がでてくるわけです。

これが暗示の技術です。

暗示というと、目くらましのような、なにやら怪しげな技のように思うかもしれません。しかし、これから先を読めば、なんだそんなことかと思うでしょう。

とにかく、一つ先の行動をどんどん空想させればよいのです。

たとえば、会議を始まるとき、

「この会議が順調に終わったら、次のステップとしてどう動くのか」を、会議の冒頭でメンバーと共有するようなことです。

「今日の会議が終わって、次の行動は、部長決済です。部長に、企画の方針をプレゼンして予算をもらいます。ですから、今日は、最低限、予算が絡むところ、写真やイラストなどの高価なビジュアルを使用するとか、取材費の高い、ビッグネームに取材するとか、通常と違う、コストのかかる編集手法をとる場合は、必ず今日のうちに決めておきたいです」

あるいは、

「今日の会議が終わって、次の行動は、取材です。編集者・ライター、それぞれ分担して取材に行きます。ですから、みんなが取材に出るために、必要なことを決めます。少なくとも、取材先、取材方針は、この会議で決まっていないといけません」

(引用:日経ビジネスオンライン、「2009年8月3日 第15回 明日のことを聞かれたら、昨日のことから答えなさい」)

会議で決める項目を列挙できなくても、会議後の次の動き、つまり「ひとつ先」を示すことで、メンバーが今日の会議の意味を共有することができます。

一つ先の行動を示すと、その空想によって、現在何をすべきかということが非常にクリアに浮かび上がってくるわけです。(つづく)

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