リーダーとしての立場を保つ

今日は、コミュニケーション以前の問題です。コミュニケーションというのは、実際にはコミュニケーション以前の問題が多々あると思いますね。今日のテーマはリーダーの心構えに属することです。

自信のないリーダーは、自分の有能さを誇示したい、自分を認めてもらいたいと思い、そのあげく部下と競争します。これはリーダーとして、いちばんしてはいけないことです。

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リーダーと部下の年齢が近い場合、あるいはリーダーより部下のほうが年齢が上の場合、このようなことがよく起きます。部下も部下で、こんな若いリーダーに負けてたまるかと思いますから、どうしても険悪な関係になりがちです。

実力のないリーダーほど、部下を支配しようとして怒鳴り散らすものです。なかには部下をおだてて動かそうとするリーダーもいますが、このタイプも相手を操作しようとしている点では変わりありません。

実は、私はこの件で大失敗したことがあります

ある人が「戦略案をつくっても、ラインがそれを採用してくれない」と、愚痴をこぼしたのを聞いて、私は「あなたの戦略策定能力に、どこか弱点があるのではないか」と言いました。すると、相手は猛反発しました。

このような反応は、実は私の指摘が図星だったからです。自分の身を守りたいと思うと、人間はそうやって猛反発するものなのです。しかし、相手がそのような反発を示したのは私の失敗でした。欠点を指摘するときは、相手を選んで慎重にしなければいけないといつも言っている私が、失敗してしまったのです。

しかし、私が失敗したのは、相手の心の余裕を見損なったからではありません。実は、相手が生意気で小憎らしいと思ったから、つい嫌味を言ってしまったのです。

度量が小さいリーダーは、部下を認めずに批判したり嫌味を言います。批判や嫌味を言うのは、部下と同列にいて、部下と競争しているのと同じことです。リーダーはそういうことをしないよう、常に自分を戒めていなければなりません。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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