ほめるのが嫌いな人とは

選手をほめない監督

どうやら、野村さん(注:プロ野球の名監督のこと)は、選手をほめることが下手な指導者のようです。

野村さんは、ご自分の著書のなかで、「ほめて育てるという育成法をとったことがほとんどない」とまで書いておられます(ただし、これは楽天監督に就任する以前の話です)。

野村さんは人をほめるのがよほど苦手なのでしょう。ですから、「五つほめて、三つ教えて、二つ叱る」という学校教育の基本を小学校の先生から聞いたとき、複雑な思いにとらわれたそうです。

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ヤクルト・スワローズの監督時代も、野村さんは自分のスタイルをひたすら通しました。私にも覚えがありますが、監督の試合後の談話を聞いていると、選手のことを皮肉ったり、バカにしたり、それはひどいものでした。

テレビで聞いただけの私ですら、あんなにネチネチやられたらたまらないだろうなと心配したぐらいです。ですから、頭にきてやめた外人選手もいたと聞いています。

ところが、古田捕手はテレビのインタビューで、こう言っていました。
「野村監督は絶対に選手をほめませんよ。選手を徹底的にけなして、反発心、反骨心が出てくるのを期待しているんだと思いますよ」

このコメントに対して、野村さんは「うーん、よく見ているな」と、感心しています。

野村さんはこうも言っています。
「(監督に対して)『なにくそ』と反発し、それをエネルギーにしてほしい――と、願っていました」

選手をほめない理由

なぜ、野村さんは選手をほめないのでしょう。彼はこんなことを言っています。

    ①ヘタにほめると、「なんで、この程度のことでほめるの?」と、思われかねない
    ②「ナイスプレー」や「ナイスバッティング」は、誰が見ても同じことだから、ほめたことにはならない
    ③相手の考え方や意見をほめるのは、なかなかできない
    ④むしろ、欠点を指摘するほうが簡単である

(つづく)

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本稿は、佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部です。

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