人付き合いが下手な人のコミュニケーション

人付き合いに困るとき、一般にはこういうアドバイスをする人が多いように思います。

「自分と相手は違う。だから、相手の視点や相手の考え方に目をむける。そして理解しようとする。そうした姿勢をもつことが大事です」

そうなのですが、さて、実はそこからが難しい。

相手の視点て、なんだろう。

自分の視点しかもっていない人が、他人の視点に簡単に気がつけますか?

ましてや、その相手の視点を理解できますか?

「へんな人だなあ、理解できないなあ」で終りませんか?

自分の身のまわりの人間なんて、数は知れていますし、性格や価値観も似たような人が多いわけです。なかなか自分と違う価値観や視点をもつ人には出会えません。

でも、ちょっと自分の世界から足を踏み出しただけで、自分とはまったく別の価値観をもつ人間にであうものです。

それで、頭を抱えてしまう。

その点、感受性を知っている人は楽だし早いです。

初心者は、基本の10種類をまず覚えればいいのですから。

もちろん、その先には複合パターンなどがありますが、当面は基本を知っているだけで十分実用に耐えます。

まったく自分ではもっていない、自分では気がつきもしない視点や考え方があるのだと理解できるのですから、これはお薦めです。

私もはじめて感受性を学んだときは「世の中にそんな人がいるのか」とたまげましたよ。

いまでは、いやなことがあっても、「この人はそういう人なのだ」と割り切れますから、あまりストレスを感じなくなりました。

こんなにお得なことはありませんよ、感受性を学ぶのは。

そこで、感受性のクイズを出しましょう。

拙著『リーダーの人間行動学 人間を見る力を鍛える』(鳥影社)から題材をとります。

ある小さな外資系企業のコンサルティングをやったときの私の経験談です。

その会社では、前社長が辞任し、新たに外人社長が赴任してくることになりました。

その社長のサポートのためにということか、アメリカ本社から短いファックスが届きました。

「営業部長と製造部長がどんな人間か調べてくれ」

どんな人間か首実検をして、新社長にアドバイスしろ、ということなんでしょうけどねえ。

でも、2,3時間あって話をしたぐいらで、何がわかるんだかねえ。それに相手だって警戒して、そんなに簡単に本性を表さないでしょう。

正直、その仕事を割り当てられたあたしゃ、ほんとに当惑しましたよ。冗談じゃないよと。

金曜日の午後、新しい営業部長に会うことになった。

私は彼に会うと、さっそくファックスを見せ、面談の趣旨を説明した。

(ファックスには別段相手の肚を探れなどといった物騒なことはありませんでしたから、見せてもかまわないだろうと思って、見せたのです。相手の信頼を少しでも得られればという窮余の一策でした。効果があったかどうかはわかりませんが)

営業部長は「そうか」という感じで軽くうなずいた。

彼はある日本企業を定年で辞めた後、この会社に採用されたのである。

声が大きく威勢のいい人物で、体育会系的なノリの感じがする人だった。

彼は、未来の計画を熱く語ってくれた。

新人であるだけに、やる気のあるところを私に見せたかったのだろう。それは理解出来る。

私は好感を持って、面談を終えた。

ところが、思いがけないことがそのあと起きた。

翌週の月曜日の午後、突然私のオフィスに彼から電話がかかってきたのである。

「おい、どうだ。元気か」

例によって威勢がいい。

彼は私の父親くらい年が離れているから、やや失礼な態度でも、まあ許してやっていいだろう。

「はい。まあ、なんとか……」

私は、なんの用事だろうと思いながら、あいまいに答えた。

すると、次の瞬間、突然彼の声が一変したのである。

「例の件、どうなったですかね……」

声の調子が急に弱々しく代わり、態度が豹変して、あからさまに下手に出てきた。

私は一瞬唖然とした。

しかし、私は平静を装い、答えた。

「先週はありがとうございました。今、報告書をまとめているところです」

そのあと、何を言ったかはよく覚えていない。

「へんなことは書かないから、安心してくれ」というような嘘や気休めは言わなかったと思う。ただ、熱意はよく伝えるつもりだと言った覚えがある。

それにしても、この電話はありがたかった。

彼の性格や、彼が置かれている立場が垣間見えた気がした。気の毒に、彼は週末、悶々としていたのではなかろうか。

はい、では質問です。

1)私はどういうアドバイスを本社と新任社長あてに書いたでしょうか?

感受性を知っている人は案外簡単にわかると思います。

おかげで私はなんとか苦境を脱しました。

答えは本にあります。よかったら買って読んでくださいね。

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