相手の行動が理解できずに悩んでいる人へ

よきコミュニケーションに欠かせないのが、その人物の行動基準、つまり、どういう価値観でその人間が行動を起こしているのかを見極めることがとても大事です。

これが理解できれば、その人間の行動予測ができますし、スムーズな会話ができます。良好な人間関係をつくれます。

さらに、このことがとても大きいのですが、嫌いなタイプを放っておけるようになります。

つまり、「彼は所詮こういう人間なんだ」と突き放して考えられるようになるのです。

だいたい腹が立つのは、「コイツをなんとかこっちに向かせよう」とか「なんとか理解させよう」と思うからです。

「その程度の人間なのだ」とわかれば、付き合い方も違ってきます。

相手の行動基準、価値基準が適格に把握できれば、どんなに人間関係やコミュニケーションにおいて楽かは、みなさまも容易に理解できることと思います。

そこで、いろいろな人間の類型化理論を知ろうとするわけです。

体癖論とは

心理学ではこの種の研究を昔から行っています。性格分析ですね。最近では交流分析というようなものが流行っているようです。

なかには星座占いなどを参考にする人もおります。また、血液占いというようなものも世間ではよく見られます。

血液占いを見ますと、どうも私は信じられません。どれでも当てはまるような書き方をしています。

遊びにはよいと思いますが、ビジネスの切った張ったの場面でどれだけ使えるでしょうか。

私がお薦めするのは、野口晴哉という人が提唱した『体癖論』です。野口晴哉は『整体』という言葉を創設した人であり、また現在の社団法人整体協会の創設者です。

野口晴哉は整体の仕事を通じて多くの人間を観ていったわけですが、あるとき、同じような顔つき、身体つきをした人間は、同じ病気に罹ることに気がつきました。

さらに調べていくと、同じような体つきの人は、性格までよく似ていることに気づきました。

そこで、身体の特徴と性格、姿勢や動作の関係などを研究し、やがて『体癖論』という膨大かつ緻密な理論が形成されたのです。

体癖論は奥が相当深いのでなかなか究めるのは難しいのですが、少しかじっただけでも十分実践に活用できます。

いろいろな人間がいる

自動車の営業が外回り中心だった時代の話です。

ある営業所では、所長が非常に行動的なタイプで、セールスマンが事務所にいることを非常に嫌がりました。

事務所にいると、「さっさと出て行け」と言うのです。その営業所はたいへんよい成績をあげました。

やがて所長が替わりました。今度の所長は非常に分析がお好きで、セールスマンにきっちりした計画書を書くことを求めました。

そのため、セールスマンは机にしがみついて計画書を書き上げざるを得なくなりました。当然、営業まわりの時間は減りましたが、所長はご満悦でした。

営業成績がどうなったかは、言うまでもありません。

こういうことが起きるのは、実は行動基準の違いからなのです。行動派対知性派とでもいいましょうか、そういう人間の違いなのです。

後者の所長は企画部にでも置けば能力を発揮したかもしれませんが、現場の所長には不向きだということです。

このようなタイプは、体癖論では明確に定義されています。ちなみに、体癖論では10種類のタイプが定義されています。

体癖論が難しいのは、純粋のタイプが少なく、混合型が多いからです。それでも、大雑把な把握だけでも実用としてはかなり使えます。

体癖論は非常に応用範囲が広いのです。いまの営業所長の場合でいえば、所長の人選に使えます。また、営業マンはどうやってこの所長に対処すればよいかわかるでしょう。

コミュニケーション、人間関係づくり、指導方法のヒントにと、体癖論は使い道が多様です。