相手と対立しないコミュニケーションプロセス

部下がやる気のない否定的な言葉ばかり言う。

そこで、部下を鼓舞しようとして、前向きなビジョンや解決策を上司は提示するが、いっこうに効果はない。

なぜか。

====

今日は上司のポジティブな言葉 なぜ部下は後ろ向きになってしまうのか – SankeiBiz(サンケイビズ)から引用します。

原因は、相手の言っていること(さらには相手の潜在意識、観念と呼びますが)を全面的に否定するところから始めるためです。

これでは、とても相手には受け入れられません。

上記の記事では、次のステップを踏むことを推奨しています。

ステップ1:相手の気持ちを理解して、それを認める

ステップ2:同意できる部分を認める

ステップ3:相手が前向きな感情をもっている対象を見つけて、その感情を強化する

ステップ1と2は、共感の作業ということです。

これでようやく、相手は聞く耳をもってくれる。

そして、相手の肯定的な部分を見つけて、そこを認める。ハイライトするということ。

いつぞや説得のプロセスとして、このブログでもご紹介したプロセス

と基本は同じです。

ですから、ひとつ学べば応用は無限といえます。

そのポイント解説を動画でご覧ください。

初期の動画で、音質が悪くて恐縮ですが、短いので我慢して聞いてくださいね。

 

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

—————————————————————————————

コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

 

どんなときにも優しい言葉を:コミュニケーションの戦術

北辰一刀流の千葉周作は、合理的な人で有名でしたね。

多くの道場が神がかりの技を宣伝するとき、千葉道場はもっぱら技術オンリー、よけいな精神論を排除した稽古スタイルをとりいれていました。

たとえば、竹刀の活用がそれ。これでケガが少なくなり、稽古量が増えました。

竹刀は邪道という声にも屈せず、やがて他の道場で8年かかるところを千葉道場は3年でマスターできると評判になりました。

この千葉周作にはこんなエピソードがあります。

====

あるとき道場破りがやってきて試合を申し込まれました。

相手になったところ、なんのことはない、たいへん弱い相手。徹底的にたたきのめしました。

さて、ふつうなら、「馬鹿め」とか言って道場の門からたたき出すでしょう。

よく時代劇ドラマにそんなのがありますね。

ところが、千葉周作はそういう下手はしない。

なんと、別室にその相手を招いて、ごちそうをふるまうのです。そして、

「貴殿の技には驚嘆いたしました。天下広しといえどもあのような技を見たことはありません。今日はよいものを見せていただきました。そのお礼と申してはなんですが、さあ、どうぞ召し上がってください」

とか言っちゃって、酒でも呑ます。

なぜ、千葉はこんなことをしたのか。

「あとで恨みをかったら災いになる。だから、叩いた相手には必ずこうやっておくのだ」と門弟に言っていたそうです。

これぞコミュニケーションの戦術です。

目的は試合に勝ち、そのために相手を激しく叩くこと。それはそれでいいのです。

しかし、コミュニケーションの戦術はそれによるデメリットをカバーしないといけません。

目的が激しいものであっても、それに呼応するかのように激しい言葉を浴びせたら、恨みをかってあとでブスッと刺されるかもしれません。

それを理解している者は、自らを守ることになる。

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

 

—————————————————————————————

コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

コミュニケーションは単眼思考ではだめ

コミュニケーションというと、ふつうは1対1を空想しますね。

リーダーが用いようとするコミュニケーション・スキルでも、
「あの部下を何とかしよう」と、こう考えがちです。

しかし、あらゆる物事は他のものに影響されていると考えなければなりません。

これは、私の「伝動戦略」の発想です。

戦略的な考え方ですが、これは日常生活でも応用がききます。

====

たとえば、介護老人がいる家庭のことを考えてみましょう。

ここに介護士が入ってきて援助するとします。

一生懸命、介護士はおばあさんのお世話をする。

ところが、いくらやっても効果がはっきり出ない。

そこで、家庭のことを考えてみると、お嫁さんとの関係がどうもしっくりいっていない。

お嫁さんが介護に不熱心というわけではないのです。

ただ、疲れすぎているんです。すると、どうしても介護の集中ができない。

この状態で介護士が考えなければいけないのは、お嫁さんに対するヘルプでしょうね。

このように、人間は一人で存在しているわけではない。必ず他の人から影響を受けます。

会社組織でも同じです。

部下のコミュニケーションを考えるときも、その人だけでなく、
その人に影響を与える人物や物事を考えないといけません。

むしろ、そちらの方から攻めていくというやり方もあるわけです。

これがコミュニケーションの伝動戦略ということです。

—————————————————————————————-

■リーダーシップ向上に関する参考書籍 

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

 

—————————————————————————————

コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。L研リーダースクール初等科1

コミュニケーションの前段階が大事

もしあなたが相手から自分の意見を真っ向から反対され、そのあと相手の提案を受け入れるように求められたらどうでしょう。

たぶん、ほとんどの人はかちんときて、相手の言葉を受け付けないでしょう。

====

しかし、自分の意見のある部分を認めてもらえば、別の面で相手の受け入れてもいいかなと思う人はおおぜいいます。

これがコミュニケーションの前提になります。

そして、相手にとって、従来よりもっと良いことがあると提案すれば、必ずや相手は聞く耳をもって対応してくれるでしょう。

そういう準備をどうやったらできるか、そこから考えてみてください。

組織間のコミュニケーション戦略

コミュニケーションにおいては、常に相手の特徴を理解しながら、こちらの意見を述べていく必要があります。

相手の期待しているものと合致しないとき、“空気を読めない”と言われたりします。

しかし、コミュニケーションにおいては、単に言葉のやりとりや口調などといった程度のことで、話がスムーズにいくことはないでしょう。

====

少なくとも、相手がコミュニケーションをとる目的がわかっていないといけません。コミュニケーションの目的を相手もこちら同様理解してもらわなければなりません。

さらに、問題に関して、相手がどの程度知識をもっているかどうかが問題になります。知識があればよいのですが、そうでなければ知識を提供するところから始めなければなりません。

さらに、問題に対する相手の立場を考える必要があります。かりに個人的にはこちらの意見に好意をもっていても、立場上、反対や対立をせざるをえない場合があります。

より重要なのは相手の行動パターンです。意思決定の遅い/早い。意思決定の好み――これは感受性の問題です。

こういった点を諸々つかんで、話し合いに入る必要があります。

個人の場合ならばこの程度でよいでしょうが、組織間のコミュニケーションとなると、より多くの問題を考慮しなければいけないでしょう。

そのあたりの考え方を現在まとめています。組織を動かすための組織行動分析を提供することを考えています。今年いっぱいでまとめて、新しい講座を設けようと思っています。

—————————————————————————————-

■リーダー感覚に関する参考書籍

本稿は佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)の一部を抜粋引用しながら、加筆したものです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭い現実的な方法論です。特に初任リーダーはまずここからお入りください。

解説はこちらからどうぞ

集団に対するコミュニケーション戦略

ある集団にリーダーとしてコミュニケーションをとることを考えてみます。

この場合、集団のメンバーのなかには、こちらの意見に好意的な人ばかりとは限りません。まだ態度を決めかねている人もいるし、何がなんでも反対だという人もいます。

では、どうやっていけばよいかといえば、やはり親和的な人、受容度の高い人から話をもっていくのが筋です。

====

新興宗教なども、そういう形で社会に普及していきます。

キリスト教もかつては新興宗教だったわけです。そのキリスト教が浸透していくうえでは、十二人の使徒の存在が大きかったわけです。

宗教にたとえていえば、まず「熱狂的な信者」をつくらなければなりません。

「教祖」が一人ではとても手が回らないので、彼らに教祖の代わりに「布教」してもらわなければなりません。

もちろん、常日頃から、教祖と彼らの間ではコミュニケーションを密にして、「教義」について意思統一をしていなければなりません。

やがて、使徒たちが次の信者を見つけてくれます。

この教祖とか信者を、社長と社員、あるいは売り手とユーザーというふうに置き換え、教義をコンセプトやセールストークなどと置き換えて考えてみてください。

こうしていくうちに、やがてオピニオンリーダーと呼ばれる人が仲間に加わってくるようになります。

オピニオンリーダーとは、社会組織やユーザー集団といったグループのなかで、一目置かれている人のことです。その人が「いいぞ」と言えば、みなが納得するというような人。

こういう人が仲間に加わると、いよいよテイクオフのベースができてきた、ということですね。

このコミュニケーション戦略については、拙著『暗示型戦略』が参考になると思います。

相手の気分の流れに乗るコミュニケーション

突然世阿弥の話を持ち出しますが、世阿弥はご存知のように、能の中興の祖。足利義満のころの人です。

この世阿弥には演技論をまとめた資料が多々ありますが、『花鏡』の「序破急」などはよく知られておりますね。

これは、能の構成と演出、曲の性格を支配する理念です。

====

たとえば、一日の能全体の構成は、このように考えます。

序の能は、導入部であり、基本的な作風を見せます。あまり複雑なものにしないで、筋もすっきり展開させます。

続いて破の段階に移ると、基本作風をいくらかこまかい表現へと重点を移し演じます。言い替えると、破では、序の折り目正しい作風を和らげ、それをわかりやすく解説するような意味があります。細部に重点を置き、多彩な技巧をこらして演じられます。この部分は、全体のなかでいちばん長くなります。

演目の最後を結ぶのが急です。急は破の表現をさらに徹底させた極限の表現です。今風に言えば、クライマックスのこと。急では、激しい動作をたたみかけ、速度の速い舞で観客を驚かせます。

この理論は実に納得できるものです。それは観客の気分というか、ノリともよく調和しています。序盤からいきなり「急」では、やはりノリが悪いのは明かです。

ところが、実際の世界ではなかなかこのようにいかないことが起きる、と世阿弥は言っています。そこがおもしろい。

当時の能は足利将軍や貴族がスポンサーだったため、大勢の観客がいても、まずは貴人を第一に考えていました。

そこで、問題が生じるのです。

たとえば、もし貴人が会場に早く到着したら、まだ会場が落ち着いていなくても始めなければならなかった。

その場合、観客はまだ定まった席についていないわけです。遅れてくる人もいる。こういう苛酷な状況になるわけです。

このとき演技者は、いつもより動作を派手にして、観客の注意をひきつけ会場を静めるのだそうです。

こういう配慮をして、なおかつ貴人の好みに合った演じ方をしていくのです。

たいへんだ、こりゃ。

しかし、もっと危機的な状況があります。

それは、演目がすでに破や急の段階に達しているとき、貴人がやってくるとき。

上演は急の段階なのに、貴人の心はまだ序なわけです。おまけに、一般客も貴人が入ってきたために、盛り上がっていた気分がさめ、会場全体が妙にしらけた状態になる。

世阿弥はこういう状態のときの対処策をあれこれ述べてはいますが、いろいろ工夫しても成果をあげるのは難しいと言っています。

このような気分というのは、プレゼンテーションや話し合いの席の流れなどでも十分参考になるでしょう。

相手の頭がまだ全速力で動いていないときに、こちらが全速力で話しかけてもなかなか通じません。その逆もありでしょうね。

希望のゴールと障害克服のゴールを選択する

先日、希望駆動型と危機駆動型のリーダーがいると説明しました。 こちら

チーム運営のゴールについても、希望追及型と障害克服型があり、どちらを選択するかはとても大事になります。それは、状況によると思います。

====

だいたい世の中のゴールとはなかなか難しいことが多い。難しいからこそゴールとして設定するわけでしょう。

この難題を解くには、一足飛びではいけません。そこで、ステップに分けて行う必要が出てきます。途中の段階でのサブゴールを設けます。

つまり、「Aができたら、次ぎにB,Cともっていき、最後にGoal到達だ」という説明をする。

工程表と呼ばれるものも、この一種でしょう。

さて、この途中段階のサブゴールでは、希望を追及するか、危機を乗り切るかの選択をします。

一言で言えば、メンバ-が自信がないときは希望追及の方がよい。自信のない人に危機を克服せよと言っても、元気が出るわけがない。

一方、自信があるときは、危機乗り切り型がよい。少しぐらい無理を言っても、「やってやろうじゃないか」と頑張ってもらえる。

そのあたりの空気をリーダーは読まないといけません。

ただし、それぞれはサブゴールですので、最終ゴールがないと話になりません。これがないから日本政治はどうにもならないといえます。税と社会保障一体化にしても、原発再稼働にしても。

拙著『成功を確信させる暗示型戦略』は、このあたりを取り上げていますので、参考にしてください。

危機感で人を動かすか、希望で人を動かすか

4,5年前ですが、エコノミストの竹中正治さんが、日本人のリーダーは「危機感駆動型」だと言っておられました。

「『このままではお前(日本)はダメになる!』『危機だ!』と言われると強く反応して動き出す」

「『危機・没落に直面しているのだから構造転換(改革)しないと日本はダメになる』なんて議論は、戦後を通じて何度も形を変えて繰り返されてきた」

====

これに対して、「米国人に多い類型は『希望駆動型』で、『できるじゃないか!』『ステップアップできるぞ!』と励まされると強く反応して動く。

エコノミストも、米国では毎度楽観的な見通しを言う連中がなぜこうも多いのかと、竹中さんは首を捻っています。反対に日本のエコノミストには、どうして「危機の預言者」みたいな連中がわんさといるのか、ですと。

政治も同じだそうです。日本の歴代首相や政治家は、「まず危機感の強調から始まるタイプが多い。『日本はこのままではダメになる!』方式となる。

一方、米国の大統領、政治リーダーたちはどんな困難な状況でもまず希望を語ることから始める。『私のリーダーシップを受け入れるならば、難局は打開できる』と、まず希望を語るのが米国のリーダーの資質だ」

********

上の文章を読み返すと、いまでも変わらないなあと思います。

アメリカのオバマは、リーマンショックのあとでYes,We canでしたね。

野田総理は財務官僚に丸め込まれたかどうかしりませんが、「今決断しなければ日本が危ない」としきりに言っています。

税と社会保障の一体化なければ、日本の未来はないとかなんとか言いながら、社会保障の未来像はこれから考えるだそうです。

原発再稼働もそうでした。「このままでは電力需給が危ない」

ただし、「では根本的にどうしたらよいか」という希望のビジョンがないから、「危ない、危ない」というただの脅しになる。

そして、脅しておいて、「だから自分の言う事を聴け」だけになる。

どういう状況で希望と機器駆動を使い分けるべきか、またそれぞれどういうように計画をつくるべきか、考えてみれば私は拙著『暗示型戦略』にそのあたりをていねいに書いていました。

組織のなかで意見を通すためのコミュニケーション戦略

これは拙著『暗示型戦略』に詳しいのですが、私はこのテーマについては、いろいろなところで触れています。

拙著『伝動戦略』では、上杉鷹山の藩政改革を分析しています。私は世間で言うほど、鷹山の改革が上手くいったとは思っていません。

その理由は本をお読みいただくとして、ここでは組織のほとんどが反対するテーマをいかにse説得に導くか、そのエッセンスを紹介しておきます。

====

「説得は受容度の高い人から、というのがセオリーである。

イノベーションの浸透を無理やり加速させようとするのは、いちばんまずい手である。

いたずらに力でごり押ししても、うまくいかないものだ。

組織の中には、新しいものにすぐ飛びつく人、じっくり様子をうかがってからでないと採用しない人、最後まで拒絶する人というように、いろいろなタイプが混在している。

イノベーションを普及させようと考える者は、どういう手順で受容度の異なる人々を説得していくかを十分考える必要がある」

この手順に興味のある人は、暗示型戦略の説明サイトをご覧ください。