コミュニケーションの前に考えるべき仕掛け

今日は拙著『先見力訓練法』から話題をとってきました。

第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦やドイツ戦線で活躍したパットン将軍をご存知ですか?

パットン戦車軍団とかなんとかいう映画にもなったくらいですから、名前くらいは知っているかもしれませんね。

パットンは勇猛果敢で訓練が厳しいことで有名でした。そのパットンは兵士の士気についてずいぶん研究していたようです。もちろん学者じゃないので、非常に現実的な対処法の研究です。そこで、その一部をご紹介しましょう。

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「上級将校ができるだけ前線視察することを勧める」

「姿を見せる将校の階級が高いほど、また護衛の数が少ないほど、兵士に与える効果は高い。視察にある程度の危険が伴うなら、その価値はさらに上がる」

前線に出かける将校にはこう忠告しています。

「後方へ戻る姿を絶対見せるな」

したがって「前線へ向かうときは皆に見えるようにッジープに乗り、帰りは飛行機にしろ」

こうやってみると、なるほど天皇陛下が被災地の人たちを慰めに出かけられたのは、誠にありがたく思われるわけです。

ところが、菅前首相が原発の事故現場に出かけて、これは大ひんしゅくをかいました。お邪魔虫になってしまったのです。

前線に出かけるタイミングというものも考えないといけませんかね。企業の社長が地方支店まわりをするときなんかも、お邪魔虫になっている人は多い。

パットンはほかにもこんなことを言っています。

「寒中でも、将官は兵士より暖衣を身につけているという印象を与えぬように」

枝野前官房長官なんか、原発事故後、はじめて福島に出かけたとき、完全放射能防護服で行ってました。

迎えに出てきた福島の人たちは防護服なんか着ていませんから、福島の人はずいぶん違和感があったことでしょう。あそこは無理してでも防護服はとらなければなりませんでした。

チームメンバーに奮闘をうながすコミュニケーションを行うとき

だいたい気が弱っている相手、自信を失っている相手に対して、奮闘を求めるような課題を提示するのはあまりよくないものです。

しかも、こういうとき、そのような課題をしくじると、二度と立ちあがれなくなります。

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では、奮闘をうながすような課題はいつ提示したらよいかというと、だいたいこんな条件でしょう。

1)ある程度の実績がすでにあって、やればなんとかやりようがあるかもしれない、とメンバーが多少なりとも自信をもっているとき

2)あと少しでゴールに達成できるという状態のとき

3)ここで一踏ん張りすれば、大きな成果が期待できる、局面が転換できるというとき

したがって、リーダーはこういう条件、特に1の条件をつくることを先にやっておかなければなりません。

簡単なことから自信をつけさせていくことをしばらく続ける必要があります。

そして、いよいよその条件が整ったとき、奮闘の言葉――といってもただ情熱で訴えかけるだけではなく――

「この山さえ越えれば、明るい未来が待っているぞ」という言い方が大事になります。

明るい未来を暗示するのです。

明るい未来を初期に提示してもあまり信用されません(提示するのは構いませんが)。

やはり、はじめはコツコツ成果をあげていくことに尽きますね。

ビジョンはあまり信用されません。プロセスが示されないと信用されないし、プロセスの課題がフェース毎によく考えられていないと、これまた信用されませんね。

コミュニケーションする相手を選ぶ

新製品を販売したり、社内で新しいアイデアを提唱するとき、まずどういう人に話をもっていくかがとても重要になります。

誰でも良いからコミュニケーションを行えばよいというものではない。

なぜならば、人間タイプによって新奇なものに対する受容度がまるで違うからです。

受容度からみれば、だいたい5種類あります。

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1)革新者・冒険者

すぐ飛びつく人。体癖で言うと5種が圧倒的に多い。

2)初期採用者

わりと先見的な人だと組織で一目置かれている人。

3)初期追随者

これから先は、《つられるタイプ》です。そのなかでも、比較的早く動く人。体癖的には3種とか8種が多いでしょう。

4)後期追随者

疑い深い人でしょうね。まわりが相当採用していないと、自分から動かない。

5)遅滞者

どうしても新しいことはやりたくない人。1割とか2割はいるでしょう。

新しいことをやろうとする人は、まず革新者を募って団結することです。

考え方を共有して《熱》を創りだすことですね。

そういうメンバーが「伝道」の役割を果たします。

詳細は暗示型戦略を参照してください