個人間のコミュニケーションだけでは解決しない問題

commu_120602

ある工場で改善活動をしようとしているとき、ある職長さんが非常に反対して職場全体の空気を盛り下げている。

そんなとき、リーダーはどういうアプローチをとるでしょうか。

ふつうに考えるのは、なんとかこの職長さんを説得して、改善活動に積極的に向かわせようとすることでしょう。

====

リーダーはこういうとき、対人コミュニケーション能力が必要になります。

どんなことで反対しているのか、何か不快なことがあるのか、あるいは自信がないのか、

対話を通して本音を探り、対策をたてる。支援をする。

これは問題の争点をなんとか処理しようという方法です。

これはこれで大事なのですが、別のアプローチもありうるのです。

しかし、あまりこういうことに多くの人は気がつかないでしょうね。

個人を変えようとしなくても、全体を変えることで、変化をもたらすこともできるのです。

それには、組織のなかで最も動きやすいパーツ(動かしやすい人たち)を振動させる。

すると、それに呼応して別のパーツも振動をはじめる。

そうやって、組織全体に波紋が広がり、振動が隅々まで伝わるようになる。

戦争なんかそういうことが多いですよ。

第一次大戦は、セルビアでしたか、どこでしたかが発火点となって、いろんなところに飛び火したわけでしょう。

会社のなかだって同じことなんですよ。

何を言っているのかわからないかもしれませんが、これが伝動戦略であり、暗示型戦略なんです。

武力ではなくて、思想を伝播することで組織全体を動かすということです。

そうなると、反対する人はだんだん置いてきぼりになっちゃうんです。

反対者を無理やり誘わなくっても、離れ小島になってしまう。

それがいやなら、いっしょに協力しましょうよ、ということですね。

詳しくはこちらを参照してください。

暗示型戦略とは暗示型戦略の詳細解説はこちら 

 

 

ビジョンと組織内コミュニケーション戦略

commu_120602

ビジョンを掲げるときの問題とはなんでしょうか?

ここでいうビジョンとは、企業理念のことではありません。

会社をどういう方向にもっていくかというような内容のことです。

小泉さんが言う「原発ゼロでも日本は発展できる」は立派なビジョンです。

魅力的なビジョンには多くの人が引きつけられます。

そこから先はビジョンまでの道筋を示すこと。これは組織コミュニケーションの戦略です。

====

拙著『暗示型戦略』はそれについて触れています。

メンバーが知らず知らずに自信をもって進むようにする暗示効果をもつチーム運営戦略を説明しましょう。

チーム運営では、以下の点が特に重要です。

1)ゴールの設定

2)ゴール達成までのプロセス提示

3)初期段階での大成功

最初に、ゴールまでのプロセスをはっきり示します。

このプロセスの構築次第で、やる気がでたり、自信を失ったりします。

最初に難しいところから入ったらまず挫折します。比較的容易なところから入り、自信をもたせながら次に進むというようなプロセスをつくります。

そして、第一ステップに入りますが、その前に考えるべきは先例を見に行くとか事例を調べること。

そういうものがないときには、試作品、プロトタイプ、モデルなどを用意します。

つまり、そういうものを見て、本物ができたときのイメージをメンバーに与えるわけです。

それがあると、メンバーには行動に集中力が出てきます。

百聞は一見にしかず、ということです。

これは暗示効果とも言えますね。イメージできることはとても強いのです。逆に、イメージできずにぼやっとしているものに、なかなか人はついてこないもの。 

暗示型戦略とは暗示型戦略の詳細解説はこちら 

組織のなかで意見を通すためのコミュニケーション戦略

これは拙著『暗示型戦略』に詳しいのですが、私はこのテーマについては、いろいろなところで触れています。

拙著『伝動戦略』では、上杉鷹山の藩政改革を分析しています。私は世間で言うほど、鷹山の改革が上手くいったとは思っていません。

その理由は本をお読みいただくとして、ここでは組織のほとんどが反対するテーマをいかにse説得に導くか、そのエッセンスを紹介しておきます。

====

「説得は受容度の高い人から、というのがセオリーである。

イノベーションの浸透を無理やり加速させようとするのは、いちばんまずい手である。

いたずらに力でごり押ししても、うまくいかないものだ。

組織の中には、新しいものにすぐ飛びつく人、じっくり様子をうかがってからでないと採用しない人、最後まで拒絶する人というように、いろいろなタイプが混在している。

イノベーションを普及させようと考える者は、どういう手順で受容度の異なる人々を説得していくかを十分考える必要がある」

この手順に興味のある人は、暗示型戦略の説明サイトをご覧ください。

コミュニケーションを無視した戦略遂行は無理

久しぶりにチーム運営のコミュニケーションを取り上げます。

拙著『暗示型戦略』に詳しく書いてありますが、こういう時代にはこの概念が特に必要な気がします。

本の詳しい内容はホームページをお読みいただくとして、トップリーダーには、この本に書かれている原則をしっかり守って戦略を計画運営していただきたいわけです。

そのポイントは、まず希望を与えるということです。そして、その処方箋をプロセス、まあ工程表と呼んでもよいですが、そういうもので提示する。

====

そして、最初の段階で小さくてもよいから100パーセントの成功を得ること。これがとても大事。

そうすると、メンバーはこれならいけるかもしれないと思って、そのプロセス全体をだんだん信用するようになります。これが確信をもたらす暗示効果なんです。

確信を持つと人間は行動力がましてきます。

とにかく暗示型戦略では、初期段階における徹底的な成功をかちえることが大事なので、テーマは慎重に選ばなくてはいけません。

あまり大がかりなテーマですと達成までに時間がかかるので、できれば小さなテーマの方がよい。そこで大事なのは小さくてもよいから100パーセントの成功をえることです。これが信頼を得ることになる。

さて、こういうリーダーの心理技術が特に必要になるのが現在の日本の政治状況のようです。

まず、政府が「原発について安全だ」と言っていますが、7割以上の国民が信じていません。それなのに、野田執行部は、原発を再稼働する構えです。

消費税増税についても、6割程度の国民が反対していますが、政府はこれを押し通そうとしています。

この二つは、いずれも工程表の誤りです。きちんとした手順をとっていないために、国民の信頼を得られていません。

党内手続きで勝手な手続きを理屈づけして強引にことを運んでも、党の外ではその理論は通用しないのです。

k3暗示型戦略の解説はこちら