ほめる技術はコミュニケーションの基本

ほめることでいろいろな問題が解決します。

説得をするにしろ、励ますにしろ、ほめることから入っていくのがよいのです。

ほめることにより、人間の認められたいという要求、つまり承認要求、自尊心を満たしてくれるので、そこから入って人間関係を良好なものにできます。

どんなコミュニケーションであろうと、まずはこの人間関係作りが最初です。種を蒔く前に、畑の土を改良するようなことです。

私は叱ることもほめる技術を使った方がよいと思っています。====この場合は、叱ると言うよりも、欠点を指摘して是正させることに主眼が置かれます。

たとえば、ある作業がうまくできない部下に向かって「ここを直せ」と言うより、「ここさえ直せばベテランなみだ」と言うのです。

言っていることは同じです。問題箇所を指摘して、そこを直すように指示しているわけです。でも、相手の受け止め方は全然違うでしょう。

L研リーダースクールでは、初等科1で、ほめる技術を徹底的にやっていただき、初等科2で応用編として、説得の技術、欠点を指摘する技術、認める技術を練習していただきます。応用編でも、ほめることが頻繁に出てきます。

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本当は人間を見る目(人間分析)を鍛えると、もっとコミュニケーション能力が伸びます。ただ、これはこれでかなりたいへんな時間がかかります。

ということから、初等科2までを終了された方に、初等科3として人間の感受性を勉強していただく仕組みにしています。

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ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。
L研リーダースクール初等科1

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

立読みはこちらからどうぞ

人間をタイプ分けして、それに応じてほめる?

人によって適う言葉があり、ほめるにはそういうことを考えないといけないのですが、その前にやらないといけないことがあると思います。

まず、自分の感じたことをほめるべきだと思います。

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このタイプにはこういう褒め言葉がいい、というようなことを考えない方が、かえって素直でよい結果が出ると思います。

(もちろん、感受性分析をして、それぞれの人間の感受性を学んでおくことは大事です)

相手の分析力が自分にないものだと思えば、それをほめればいい。

相手の仕事が、自分にはとうていできないと思うほど早いと思えば、そう言えばいい。

まずは、そういうことを感じられる感覚をまず研げということです。

人間のタイプから褒め言葉を探そうとすると、かえってその人のよさから遠くなる危険があります。

優れた褒め言葉は、その場の状況をピックアップしたものであり、一般的なほめ言葉では力がありません。

ほめるなら能力をほめた方がよさそう

カリエールという人が『外交談判法』という本の中でこう述べています。ちなみにカリエールは、17世紀後半、フランスのルイ14世の下で外交交渉家としてならした人物です。

「君主に向かって彼らの富を誉めたり、彼らの館、家具、着物等々、彼らの値打ちとは関係のない空しいものを誉めるような暇潰しは、ほんのちょっとふれる位は別として、やらないことが望ましい。

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彼らにとって本質的な、称賛に値する事柄こそ、誉めるべきである。

たとえば、彼らが、偉大で、勇気があり、公正で、控えめで、寛大で、鷹揚で、親切で、柔和であることを具体的に示したならば、それを誉めるべきである。

また、総じて彼らの本当に勇気ある行為であるとか、彼らの才能、頭のよさ、思慮分別、実務をさばく能力、大きなことに取り組む根気とかを誉めるべきである」

簡単にいうと、能力を誉めろということですね。

ところが、おもしろいことに、カリエールは、「王妃や王女、あるいは貴婦人には、身体の外見の魅力を称賛するのがよい」としています。

ほかに誉める点があったとしても、それよりは「この方が一層彼女らの気持ちを動かす」と言うのです。

なお、これが現代女性に当てはまるか否かに関して、私はコメントするつもりは一切ないことをお断りしておきます。

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コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。
L研リーダースクール初等科1

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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褒めるのが下手なリーダーにちょっと手助け

社内の後輩に宛名書きの書き方を教える立場の人がいました。そのかたのレポートです。

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注意をしないといけないと思っていたのですが、

相手のプライドを傷つけないように言わないといけないと思い、
なかなか言葉が出ません。

そこで、まずほめることからはじめました。

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「字がとてもうまいと、お客様が感心していたよ」

「うそ、そんなはずないですよ」と相手は恥ずかしそう。でも嬉しそう。

そこで

「もう少し大きな字で書いてあげたら、もっと喜ばれるよ」

「そうですね」

後輩は明るい顔で答えてくれました。

それからは、なんとなく元気が出てきたようです。

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私の感想

相手に注文をつけるときでも、まず相手のいいところを褒めてあげる。
そうして認めると、聞く耳をもってくれるものです。

そのあたりは、とてもうまくいきましたね。

それから、褒めるとき「お客様が褒めていた」と間接的に言うのもよかった。

「とてもいい」というように、自分の意見を直接言う以外に、第三者の言葉を引用する褒め方もあります。

(ほかのかたも)いろいろな褒め方があるのに気がついたでしょう。そういうものを適宜使い分け、指導にもそういうものを取り入れていってください。

みなさんんも、いろいろ試してください。こういうのは実践第一ですからね。
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レポートがあがってくると、こんな感じで私の感想を返すわけです。それと、各人の感想は、受講生みんなが見ることができるようになっています(プライバシーが問題にならないように、実際には主旨を損ねないようにしながらシチュエーションなどを変えています)。

私の感想を読むと、みんなとてもやる気が出ますよ。

というか、やる気が出るように、私は褒めて返しているのです。なるべくよいところを見つけて、レポートを褒めてあげる。

実は、こちらの作業の方が私にとっては大事なんですね。私も褒めて育てるを実践しているんです。

褒めればやる気がでるし、元気が出てくる。

私の最終目的は、「相手を元気にする」ことです。元気になれば、勝手に相手が動いてくれますよ。

叱ってばかりいるリーダーは、少しはこういう訓練をした方がいいかもしれませんね。眼から鱗が落ちるかもしれませんよ。

拙著『リーダー感覚』では、叱ってばかりの野村監督、叱ることが選手を伸ばすんだという信念で選手を教育してきた野村監督を例として取り上げております。その野村さんでさえ、阪神監督時代の苦い経験から、いまでは叱るのを控えて、褒めることをやっていますからね。

たいしたことではないのです。気がつくかどうかだけの問題なんです。

私のところ(L研)では、褒めるのがどうも苦手だという人をエンカレッジするメールセミナーをやっていますから、ご興味があればどうぞ。

 

コミュニケーションスキルのなかで、最もベーシックで、応用範囲が広いスキルが、ほめる技術です。

ほめる技術を徹底的に行っていくのが、初等科Ⅰの講座です。
L研リーダースクール初等科1

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佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

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褒める技術にまさるものなし

二、三年前の日経新聞に「なぜか褒めあい族」という記事が出ていました。

「最近はただ褒めあう大人が増えている」という、やや批判的な記事でしたね。

ですので、これについての意見を述べてみましょう。

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その前に、記事の概要です。

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伊勢丹浦和店では、「褒めあいカード」なるものがあって、月1枚は同僚の良さをカードにしたため贈り合う。それを「褒め愛ボード」に貼り付ける。

「荷物を床に置こうとしたお客様に、すぐいすを用意。素晴らしいです」

こんな内容のほめ言葉をかけあうらしい。社員には「褒められるとモチベーションが高まる」と好評だそうだ。

就職活動をひかえた学生向けのセミナー会社では、参加者同士でおたがいの長所を褒めあうことをする。

別のセミナー会社代表は「特に若者に自信がもてない人が目立つ。褒めないと勇気がもてず、就職活動や会社を辞めてしまう人が多い」と言う。

焼き鳥チェーンのオーナーは、「若者は注意するより褒めた方が『自分の仕事を見ている』と実感し、がんばれるようだ」と言う。

だが、と日経記事はここからつづける。やりすぎのようなこともあるというのだ。

パソコンに名前や性、年齢などを入力すると、画面を閉じるまでほめ言葉が現れ続けるサイトがある。最近は1日15万件のアクセスを越えることも。もっとも、入力した人は「救われた」と感想を寄せる。

一部では、褒めすぎが反骨心などの喪失につながると、懸念する声もある。

なぜそうまでして褒められたいか。白梅学園大学の汐見学長は「自分に自信のない人を褒めても効果は一時的。企業などはやみくもに褒めるより、本人が自信をもてるように育てることが大事では」と。

「いざこざを避けるために、安易に褒めている面があるのでは」という人もいる。

安易なほめ言葉に慣れた人は、もはや叱れないのではないか、という不安を感じる向きもある。

セミナー会社の代表は「実は不景気になってから、管理職にしかり方を教える研修の以来も増えている」といっている。

記事は最後にこうまとめている。

「ほめ言葉で元気になるのはよいけれど、そのうちしっぺ返しがくる?」

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長くなりましたが、要するに、日経記事は安易に褒めるのはどうか、といいたいようです。

まず、画面に入力するとひたすらほめ言葉が出てくるサイトですが、これは遊びのような物でしょうから、目くじら立てるほどのこともないと思いますけれどね。

それだけ、褒めてほしいと思う人が多い、褒めて育ててくれる人が少ないという証拠であると思います。

「企業などはやみくもに褒めるより、本人が自信をもてるように育てることが大事では」という意見がありましたが、そんなら叱って育てるのか、と反論したくなります。

やはり褒めて育てるしかないのです。そうでないと、多くの人は潰れます。

「本人が自信をもてるように、ほめて育てることが大事だ」というのが私の意見です。

もちろん、やみくもに褒めるのはリーダーとして失格です。私に言わせれば褒める技術を学んでいないリーダーだからそうなるのです。

褒める技術の基本は、「相手の琴線に触れる言葉で褒める」ということです。

なんでも褒めればいいというものではないのです。相手の心に100パーセントピタッとくる言葉が必要なのです。

しかし、最初からそういうことができない人も多いから、とにかくなんでもいいから最初は褒めなさい、と私は指導します。

それから、褒めすぎが反骨心の喪失につながらないかという意見があるようです。褒めすぎは甘やかしに通じると言いたいのかもしれませんね。

褒めるべきか叱るべきか、どちらがよいかという質問は、人間を見極める力がない人が短絡的に結論を出したいのだろうと、私は思っています。

人間には褒めないとダメな人と、叱らないとダメなタイプとがある。それを見分けることがリーダーの能力です。

叱って伸びる人は相当の自信家です。反骨精神がある。こういう人は自信過剰になる傾向があるので、時々天狗の鼻をへし折らないといけない。へし折ってもまだついてくるように指導しないといけませんけどね。出て行ってしまうようでは、指導失敗ということですから。

ただ、そういう人は全体の1割もいないでしょう。だから、叱るのは確率的にいって難しいと思っています。ほとんどの人は褒めたほうが効果があります。

この記事を書いた記者は、多分反骨精神のおうせいなタイプなのでしょう。それで、褒められたい人間が大勢いることが、よく理解できないのではないでしょうか。

叱ってよいタイプとそうでないタイプの見分けができない人がリーダーだったら、まず褒めることから入りなさいと、私は勧めます。だんだん人を見る眼を養って、いろんな人に対処できるリーダーになってもらいたいと思います。

不景気になって叱り方を教えてほしいという需要が増えているそうですが、管理職が短絡的な手段に走っているとしか思えませんね。

むしろ、こういうときこそ褒め方をもっと勉強べきだ、と私は思いますね。そして、みんなにやる気をもって働いてもらわないといけない。

褒めるのは簡単だとみんな思っている。そこがあさはかなところですね。

褒めるのは、入り口は簡単そうに見えますが、本気で人間を育てようと思ったら、褒める勉強をもっと真剣にしないといけないはずです。

それから、最後の「褒め言葉に酔い続けていると、そのうちしっぺ返しがくる?」という文ですが、たいていの人はそれほどお人好しではないので、大丈夫だと思います。

しかし、そういう人がいないわけではない。内容に関係なく、ただ褒められるだけで嬉しくなってしまうのです。人がよすぎるともいえますね。こういうタイプも少しですがおります。

リーダーに人間を見分ける力があれば、そこはうまく指導できるはずです。

しかし、褒められるとすぐ有頂天になる人たちも自分自身で時々は反省すべきですね。しかし、性格は直らないでしょうねえ。麻生さんみたいな人のことですよ。

リーダーはそういう人たちに高い理想をもたせないといけません。神様と比べれば人間なんてどんなに頑張ってもたいしたことはない。そう思える人間は謙虚です。

リーダーは、そう思えるような高い目標、理想を部下に与えて、それを求めていくような謙虚な人間を育てないといけないと、私は思います。

 

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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質問することはほめる技術のひとつ

営業マンは売りたい、買ってくれの一点張り。

リーダーは、部下に、「動け」「やれ」の一点張り。

上等の営業マンは、お客さんに「売ってくれ」と言わせる。

上等のリーダーは、部下から「やらせてくれ」「あんたのためならやってやる」と言わせる。

この差はなんなのでしょうか?

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私も少しは営業を勉強しなければと、トップセールスの人の書いた本を読むときがあります。すると、たいてい「相手の“重要感”をみたしなさい」というようなことが書いてあります。

人は誰でも他人か“重要感”を満たされると、抵抗できなくなるのだそうです。

つまり、L研リーダースクールの「ほめる技術」を使いこなせば、よい営業マンにもなれるし、よいリーダーにもなれるということ。

特に、直接ほめるよりも、「質問する」のがよいのだそうです。

そこで、拙著「リーダー感覚」のなかから、質問する技術についてピックアップしてみましょう。

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自分より年長で、知識や経験が豊富な人の場合は、少々難しいかもしれません。こういう相手には、ピタッとしたほめ言葉をかけるのが難しいからです。それでうかつなことをいうと、「なんにも知らんヤツにほめられても仕方ない」と思われたり、腹のなかでバカにされたりします。

そういうときのために、とっておきの方法をお教えしましょう。そういう人には、積極的に教えを請うようにするのです。そして、「おかげさまで、たいへん勉強になりました」と言います。もちろん、口先だけでなく、心からですよ。真摯に教えを請う姿勢がないといけません。

これにつけ加えて、質問すればもっとよいでしょう。
「ここは、どう考えたらいいのでしょうか」

さらによいのは、
「私はこう考えたのですが、ここはこれでいいのでしょうか」

実は、これでほめたことになるのです。この戦略は、目上の人に対しても有効な場合が多いといえます。ただし、本当に勉強してからでないとダメですよ。嘘はすぐ見抜かれますからね。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

本書はL研リーダースクールの通信講座初等科Ⅰのメインテキストです。初等科Ⅰでは、人の心を動かす訓練としてほめる訓練を実践していただきます。この講座は、受講生に技術的アドバイスを行うとともに、受講生の成長を見守っていく実践型プログラムです。

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口先でほめてもダメ:スキルの限界

ほめることをコミュニケーションのテクニックと考えていると、早晩壁にぶちあたります。それは、言葉だけで取り繕おうとしているためです。

本気で「いいな」と思えることだけを言うようにしないと、絶対に相手には響きません。

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お天気キャスターの真壁京子さんがどこかで書いていました。師匠の森田さんにいつも言われていることがあるんだそうです。

「きれいにしゃべろうと思うな。言葉が汚くても、本気で伝えたいと思ったことは伝わる」

共感を得るには、腹から出る言葉というか、気迫というか、そういうものが必要です。

「午後から雨が降るから、洗濯物を干しっぱなしにしないよう注意して」という内容でも、ただ情報を伝達するつもりと、視聴者に「気をつけて!」と注意したいと思いながら言うのとでは、伝わり方が違うはずです。

口先の言葉では共感は得られません。これは肝に銘じておかなければなりません。

みなさんも、自分の言葉を大事にしながら、相手の反応を正しく読めるように、リーダー感覚をしっかり磨いて下さい。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

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ほめる技術は人間関係の潤滑油になる

もう何年も前に亡くなった私の父は、晩年、ぼけが進んでいました。その父を連れてパン屋さんにパンを買いに行ったことがありました。

パンを何種類かトレイに載せて、二人でレジに向かいました。

レジの係は若い男性で、白衣のようなものを着て、頭に白い帽子をかぶっておりました。

彼はいつものようにたんたんと袋にパンをつめていました。

そのとき、突然父が口を開きました。

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「あんた、いい仕事ぶりだねえ」

すると、このレジ係は突然のことに驚いたようでしたが、顔を急に緩め、ニコニコしだしたのです。そして、すっかりのってきたように見えました。見ず知らずの老人にちょっと言われただけで、こんなに態度が変わることに、私も内心驚愕しました。

いま思えば、私の父はあちこちの店で似たようなことを言っていたようです。

ぼけてはいても、いやぼけていたからこそ、世間受けする世渡り術だけは忘れないようにしていたのかも知れません。

それはともかく、あんなにうれしそうな店員の顔は、パン屋以外のお店の店員を含めて、あとにも先にも見たことがありませんでした。

ほめる技術はいろいろな場面で使えます。応用範囲をどんどん広げて使っていただきたいものです。それが、人間関係、もっと大きく言えば、社会の潤滑油になりうると思います。

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■リーダーシップ向上に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はリーダーシップとコミュニケーション能力を実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

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世間話が苦手な営業マン

営業トークにしろ、社内での会議にしろ、いきなり本題に入るのは結構難しいことが多いです。それは、相手がまだ気分が高まっていないから。そこで、少し助走が必要なときがあります。世間話にはそういう役割があります。

世間話は、社内での潤滑油にもなるでしょう。パーティーなどでも世間話をして場を保つ必要が生じることは多々あります。

ところが、最近の若い人は世間話をするのがすごく苦手な人が多いのだそうです。

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「初訪問なのにいきなり商談」で取引先が激怒! なぜ世間話のできない若手営業マンが増えたか|イマドキ職場のギャップ解消法|ダイヤモンド・オンライン

上の記事には、初訪問なのにいきなり商談をして、顧客に嫌われてしまった営業マンの話がでています。

本人はそういうことをしないといけないことはわかっている。わかっているが、どうにも世間話をするのが苦手だというのです。

でもこれは一般的な傾向のようです。

最近の学生は、部活やサークルに属する人が減っているそうで、仲のよい友人としか会話ができない人が増えているらしい。

しかし、すべてメールで仕事ができてしまう人などほとんどいないのですから、ある程度世間話ができないと困ります。

ともかく、沈黙というのはつらいものです。かく言う私も、人なつっこい性格ではないので、苦労しました。

では、どんな対策があるか。

ひとつは、趣味があると強いでしょうね。私は長い間整体を勉強しているので、健康問題ならいろいろ引き出しがあります。みなさん、健康問題には関心が高いですから、結構話を聞いてくれます。

もうひとつは、手前味噌ですがL研リーダースクールの「ほめる訓練」を行うことです。お客さんのところに行ったら、何かほめることがないか探して、それを言ってあげるのです。

認める技術を使っても良い。顧客を認めるようにします。

お客さんは喜びますよ。外からどんな眼で見られているか聴けるわけですから。下手な世間話よりずっと喜ばれるし、尊敬されます。

要は世間話のつもりで、相手をほめればいいのです。世間話が嫌いでも、これならできるでしょう。

ほめる訓練をしたくなった?

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■リーダー感覚に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダー感覚――人を指導する喜び』(鳥影社)はL研リーダースクールの初等科Ⅰのテキストです。

本書は、リーダーシップを実践的につける訓練法を紹介しています。極めて泥臭いが現実的な方法論です。

解説はこちらからどうぞ

 

営業マンのコミュニケーションについて考える

営業マンのコミュニケーションについて今日は考えてみます。

そもそも、営業マンは、顧客の顔が浮かばないといけないようです。「顔」というのは、どんな生活をして、どういう家庭で、どんな家族がいて、どんな暮らしをしているか、そういうことがみんな見える位でないといけないらしい。

私は営業コンサルではないので、「らしい」としか言えませんが、たしかにそれくらいビビッドに顧客の顔が見えていないと、トップセールスにはなれないのでしょね。

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これが、「相手が理解できている状態」です。

そして、次が、相手に質問できる力。どんなニーズがあるか探り出す能力です。

それから、それをもとに、こちらの製品の売りをそのニーズにピタッと当てて示すこと。

L研リーダースクールの講座を例に考えてみましょうか。

この講座は、実践主体のふつうの研修とはちょっと変わったスタイルの講座なのです。いわゆるオーソドックスなリーダー研修ではない。「職場で人をほめてこい」と言うわけです。

 

「プールに投げ込んで泳いで見ろ」というような感じですか。でも、岡の上でいくら泳ぎの練習をしてもね。一般的に、人の心を動かす体験が圧倒的に少ないのです。だからそれを練習しろというわけですが、みなさん座学がお好きですねえ。

でも、実践的でよい講座だと言ってくれる人もいるんです。ところが、企業研修ではまず見込みがない。

大多数のサラリーマンというのは常識に従うのです。「リーダー研修とはこういうもの」というイメージがある。

こういう人は、一般的なリーダー論的を網羅した講座がよいと思う。一般的な知識を提供してもらえるのがよいと思っています。こうなると教養講座になりますが、まあふつうの人はそんなものです。

企業研修で研修会社を選ぶ立場の人は、そういった声に逆らうことができない。ということで、平均的なわりとよくまとまっている常識的な研修会社を選ぶことになります。

ですから、そういうものは私は初めからあまり相手にはできない。時間の無駄になる可能性が大です。

むしろ、いままで研修をやってどうにもならない、ちっともうまくいかない、と思っているような人の方がニーズが高いのです。

コミュニケーションの話題からそれましたが、営業マンにとって質問する能力というのもコミュニケーションスキルとしては大事です。どんなニーズがあるのかを質問で探りだす能力です。

それも、相手の「顔」がわかっていることでかなり仮説が立てやすくなると思います。

このときほめる技術を使って、相手の気分をよくすることもできるでしょう。これは人間関係の調味料のようなものですが、とても効果があります。

あとはクロージングの言葉ですが、このときには感受性の知識が役に立つのではないかと思います。

上下型なら、「有名なあの方も使っています」

前後型なら「これはものすごくコストが安い」

捻れ型なら「お隣の奥さんも使っていますよ」と競争心をあおるとかですね。

まあ、いろいろ研究してみてください。

 

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■人間の行動基準に関する参考書籍

佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』は、人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。

リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

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