リーダーの説得力はどこから生まれるのか

リーダーが部下から信頼される要因は多々あるでしょうが、ひとつには「みんなをゴールにつれていってくれる」という確信を与えられるかどうかにかかっているでしょう。

ヴィジョンということば、あるいは夢でもよいですが、こういう言葉を使うのが好きな経営者は結構います。

それが素晴らしいものならば、必ずみんながついてきてくれる、という錯覚がリーダーにはあるように思います。

しかし、下の者はもっと現実的です。日々の暮らしをたてるのが精一杯なのですから、飯の食えないヴィジョンなんか相手にしない。

“そのヴィジョンなら実現しそうだし、飯が食えそうだ”と思えない限り、ついてきません。

ですから、リーダーはそこを示さないといけません。というより、ここが一番大事なのです。これが組織内のコミュニケーションにおいて最も重要なことでしょう。

リーダーは、実現までのプロセスをコミュニケーションしないといけないのです。具体的な時期や方法、対策の内容を示さないと、人はけしてついてきません。

菅総理大臣は、昨日、脱原発依存というヴィジョンを発表しましたが、あまり評判がよろしくありません。

菅さんとしては不可解でしょう。しかし、支持されない理由は上で述べたとおりです。圧倒的にコミュニケーションが不足しています。

そもそも菅さんは、この面でまるで進歩していません。菅さんは去年からずっと矢継ぎ早に課題を提示しています。

(以下は日経新聞2011/01/24「崖っぷち国会(下)より)

・消費税論議の見直し

・社会保障の見直し

・平成の開国(TPP)

・外交の見直し

日経新聞によると、当時、首相は「社会保障や農業で正しいことを言っていれば野党は逃げられないんだ」と言っていました。

正しいことさえ言っていれば、コミュニケーションは保たれ、人はついてくる、というのは誤りです。それだけでは、残念ながら人はついてこない。

重要な課題を次々とぶちあげている菅総理が、本当にその問題を解決できるのかみんなが疑っていることが問題なのです。

案の定、今回の脱原発依存でも、実現までの具体的な時期や方法、電力不足への解決策などは示しませんでした。

何の為の記者会見だったのか、これでは意味がありません。