人間分析法の学び方

釈迦は人を見て法を説くことができたとされる。相手の教養程度や性格を考えながら説法をされたのだろうが、考えてみれば釈迦のように一人ひとりの性格や能力に応じて指導を行えることこそ指導力の源泉といえるのではなかろうか。

こうした指導ができるためには、リーダーは各人の個性を的確に分析できる人間理解力が必要になる。では、我々は人間についてより深い理解力を得るための訓練をどのように行えばよいのか。私はこう考える。

====


人間行動というのは、でたらめに起きるわけではない。背後には必ずその人独自の行動基準があり、人はそれに従って行動している。特に大事な場面ほどそうなる。行動基準とは究極的にはその人の価値観そのものでもあるのだ。

したがって、我々はそれを素早く的確につかむ訓練をすればよいのである。では、どのような訓練が必要だろうか。

たとえば、まわりにいる人間をていねいに観察していくことはたいへん有意義なことである。

ただ、肝心の観察相手の種類が少なすぎるケースがよくある。実際、我々がつきあっている人間の範囲はそれほど広いものではない。サラリーマンであれば、会社関係者、顧客、業界関係者などがつきあいの中心になるだろう。

職人、芸術家、あるいは格闘技家などとつきあうことはめったにないだろう。似たものどおしと言う言葉がある。そのため、多くのサンプルを得られるとは限らない。

そこで、まずは人間分析の概念と理論を学ぶことが手っ取り早い。それが体癖論であり、感受性分析である。これをしっかり学べば効果は多大だ。

この知識をベースに人間観察の訓練を続け、感受性分析を身につけるのだ。

この実践を行うときに、注意しなければならない点がある。それは判断するさいに客観性を保つということである。

相手の行動を判断する場合、「相手の立場になって考えよ」と忠告されることが多いが、私にいわせればこれはやや甘い考え方であり、また、たいへん誤解を招きやすいフレーズである。

なぜならば、とかく人は相手の立場に身を置きながら、自分の行動基準で考えてしまうからである。

正しくは相手の立場に身を置き、なおかつ相手の行動基準で考えることが必要である。この二つの条件が満たされないかぎり、なかなか客観的な分析や評価はできない。

■関連資料:佐藤直曉著『リーダーの人間行動学』
人間の行動基準パターンとその理論を簡単に紹介しながら、応用として、歴史上の人物の行動分析を行っています。歴史上の人物には極めて強い個性をもっている人が多く、そのため特徴がはっきりでやすく、人間分析が比較的容易です。したがって、勉強材料としてとてもよいのです。

扱っている人物は、南極探検家スコット、乃木希典、空海と最澄、ショパンとジョルジュサンドです。 いずれも、極めてユニークな個性の持ち主ですので、特徴がわかりやすく、理解しやすくなっています。

各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。
リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける-リーダーの人間行動学

立読み:こちらからどうぞ

■感受性メルマガ メルマガで感受性を解説しています。申し込みはこちら